『怖い』を楽しむオカルト総合ブログ

怪談夜行列車

【洒落怖名作】絶対に入ってはいけない辻

投稿日:2020年10月3日 更新日:

本文

144 :本当にあった怖い名無し:2010/02/25(木) 02:12:41 ID:0/ZxkvvA0
1/7
あれは俺が小学生の頃だから、もう20年も昔の話だ。
今回は少し長いっす。

俺の出身は北関東の寒村で、周りは田んぼと山だらけだった。
だから子供の頃は田んぼで藁の束を積んで秘密基地を作ったり
河で魚を取ったりして遊んだもんだ。村の人たちも皆いいひと
ばかりで、田舎ならではの良さがある村だった。

そんなよくある田舎の村だったが、たった1度だけ、村全体が
恐怖に陥った出来事があった。今日はその事件を書いてみる。

その村には「絶対に入ってはいけない辻」というものがある。
辻とは言っても小さな丘のような所で、幅3m、奥行き10m、
高さ1mほどの大きさだった。そしてその辻の上には、小さな
石碑と半鐘?(時代劇の火事とかで登って叩く鐘)のようなもの
があり、周りは田んぼに囲まれていた。

理由はわからないが、親や婆ちゃん(父方の)からは、あそこで
遊んじゃいけねぇよ、といつも言われていた。何でもあそこを
いじったりすると血の雨が降る、という言い伝えがあるそうだ。
確かに子供の俺から見ても不気味なふいんきがビンビン感じら
れる場所だった。

それは2月の寒い日のことだった。

145 :本当にあった怖い名無し:2010/02/25(木) 02:14:17 ID:0/ZxkvvA0
2/7
俺と友達は凧揚げをすることにした。この地域は冬はいつも
大風が吹いてるから凧揚げにはもってこいだったんだ。いつも
のように近所の田んぼで揚げていると、かなり乗りがいい。
釣竿のリールに糸を巻いて凧につないでるんだが、ぐんぐん凧
が昇っていった。

こりゃすげーや、あんなに小さくなっちまったぜ!
俺は喜んでリールを緩め、どんどん高く凧を飛ばしていった。
しかしこの日は風が強すぎた。ブチッという音と同時に凧が回転
しながら遠くへ飛んでいった。アチャー・・・まいったな・・・

俺は友達のかっちゃんと凧を探しに走った。と、ほどなくして
先を進むかっちゃんの声がした。「あったぞ~」俺は見つかって
よかったと安心したが、それはすぐに不安へと変わった。。。

どうする?
う~ん・・・どうしよ・・・

凧は例の辻の半鐘に引っかかっていた。風でバタバタと揺れている。
今までここは通り過ぎることはあっても、登ったりしたことはない。
しかも親達からは絶対入ってはいかんと言われている。そのことは
かっちゃん家も同じだった。太陽はまだ高かった。しばらく悩んで
いたが、かっちゃんが「長い棒で引っ掛けて取ろう」と提案した。
俺はいいアイデアだと思い早速二人で棒を探した。

146 :本当にあった怖い名無し:2010/02/25(木) 02:15:44 ID:0/ZxkvvA0
3/7
棒は意外と早く見つかった。かっちゃんがやると言い、少し離れた
所から凧に向かって棒を伸ばした。半鐘までの高さは3m弱といった
ところか。何度か突っついたが、全然取れる様子もない。頭にきた
かっちゃんは足元の石ころを投げつけた。カーン・・・半鐘に当たった。
錆付いた半鐘からはその外見からは想像もつかない程良い音がした。

ダメだな、取れないや。
と、その時、凧が半鐘から外れ空高く飛んでいっちまった。それも
すんごい勢いで。。。さすがにあれは追っても無駄だと子供の俺で
もすぐにわかるくらいの勢いだった。高かったので悔しかった。
諦めて二人で帰ろう、ということになったが急に天気が悪くなり始
め、雨が降ってきた。幸い俺の家もかっちゃん家も近い。バイバイ
してすぐに家に着いた。と、ほぼ同時に大雨。しかも雷?まで鳴って
きた。2月に雷?ありえねーとか思いながらも、まさかさっきのが
原因じゃないよな・・・とちょっと不安だった。

何やら外が騒がしくて目が覚めた。
なんだ?こんな時間に。。。時計を見たら午前零時半だ。親はすでに
起きて外で近所の人に何事か聞いてるようだった。戻ってきた父親は
血相を変えて「おい、かっちゃんがいなくなったんだと」と言った。
俺は「えっ!?」と驚いた。騒がしかったのは村の皆でかっちゃんを
探しているからだった。何でも昼間遊びに行ったきり帰ってこなかっ
たらしいが、親父さんが夜勤で帰宅が遅かったから気がつかなかった
ようだ(母親は亡くなっている)。

おまえ、何か知らないか?
「・・・」俺は怖くて黙っていた。

147 :本当にあった怖い名無し:2010/02/25(木) 02:17:28 ID:0/ZxkvvA0
4/7
結局その晩、かっちゃんは見つからなかった。あの時、確かに自宅の
方向へ走っていく姿を俺は見た。一体どこへ行ったのか。。。翌日、
警察と村人で捜索が始まった。俺は子供心に怖くてどうしようと悩ん
だが、このままじゃかっちゃんが本当にいなくなる気がしたので親に
言った。「バカヤロー!」俺は親父の平手で吹き飛んだ。「あそこに
は入るなといつも言ってただろう!」俺は泣きながら謝るしかなかった。

親父は早速、村の人たちにそのことを告げ相談を始めた。

しばらくして村のご意見番というか不思議なちからを持った婆さんが
きて「家の周りに小便を撒いて玄関に塩を盛るように」と言った。その
婆さんの不思議なちからは何度か見たことがあり、俺も小さい頃に疳の
虫がひどかったので、その婆さんに直してもらった記憶がある。手首に
細い紐を巻いて指先をこすられたと思ったら、爪と指の間からクネクネ
と動く正体不明の生き物?が出てきた。それが疳の虫なんだという。
婆さんはそのクネクネを引っ張って巾着袋に入れて封をした。子供なが
らに不思議な婆さんだなと思っていた。外見はナウシカに出てきた予言
の婆さんにそっくりだった。

こりゃ大変なことになっちまったね・・・死人が出なきゃいいが・・・

婆さんは村人全員に今すぐ家に帰り、今日は一歩も外へ出ないようにと
伝えた。あの辻にだけは触れちゃぁなんねぇ。昔からあそこを崩そうと
したりすると必ず死人が出たんだよ。そりゃぁすごい祟りが起こるんだ。
婆さんは俺を脅した。俺は泣きながら震えているしかなかった。
いいかい?次に祟られるのはおまえだ。今夜はずっと目を閉じているんだ。
絶対に何が起こっても目を開けちゃぁなんねぇ、いいね?婆さんはそうと
俺の髪を何本か抜き、うちの仏壇で念仏を唱え始めた。

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