本文
217 :本当にあった怖い名無し:2010/05/04(火) 20:21:09 ID:iFjnJ3tm0
ごめん。
これは俺の懺悔でもある
文才は無いので読みづらいと思うすまない
かなり前の事だ
高校時代の仲が良かった友に偶然再会した
懐かしくて飲みに行く事になった
その時は俺も友もフリーターでその日暮しの状態
でも友のバイトはテレビ局の関係だったんだ
芸能人の○○を見たとか自慢していた
住んでる所が割と近かったので、ちょくちょく遊ぶようになった
ある日、友が興奮した感じで変な物を持ってきたんだ
ビデオテープと汚い書類?だった
ラベルには「心霊廃墟に挑む!」みたいな事がマジックで書かれてた
その上から赤マジックで大きく×が書いてあった
書類を見てわかったのは番組の台本だって事
日付はかなり昔、心霊ブームだった頃
友は保管庫の処分品の中から見つけてきたと言った
局の改装があってゴミ運び中に見つけたと
ビデオは普通のデッキじゃ再生できなかった
マニアな知り合いの所行って再生したが中身は消されて空だった
218 :本当にあった怖い名無し:2010/05/04(火) 20:22:16 ID:iFjnJ3tm0
ちょうど今頃、GW明けで道も空いてるから探検行こうと友が言い出した
俺は当時、心霊をまったく否定していた
だから楽しそうだと思ってしまったんだ、行く事になったんだ
友が先輩から金払って4wd借りてきた
それでガラガラの高速乗って台本に書いてある所に向かったんだ
俺達が興味をもったのは書かれていた場所が意外な所だったから
普通、人が死んだ滝とか、自殺者が多い橋とかだよね
国の施設だったんだ
試験場跡地
これしか書けない、すまない
友は企画が中止してるし、意外な場所だからマジなんじゃないかと興奮してた
場所はものすごい山の中でした
うっすらと車の轍が残っているのを頼りに藪の中を4wdで進んでいった
かなり危ない急勾配を登っていった、ほとんど崖だった
今思うとテレビ局が通る為に切り開いた道だったと思う
正面にでかいゲートがあって封鎖されていたから
さすがにもう進めないと思った頃に急に開けた場所に出た
すごいでかい建物だった、人の気配は感じなかったけど廃墟っぽくなかった
窓とか割られていないし、よくあるイタズラ書きなんかが一切なかった
むしろキレイな感じだった、未使用みたいな
219 :本当にあった怖い名無し:2010/05/04(火) 20:26:17 ID:iFjnJ3tm0
友は急に興奮が冷めたようだった
鳥の声とか聞こえなくなったよとか言って怯えていた
たしかにすごいくらい静かだった、風の音さえなかったと思う
この時はもう夕方で建物が茜色になってた
俺は本当に信じてなかった、馬鹿だった
友はかなり嫌がってた、やめようと言い出した
俺は「お前が誘ったんだろう」と言って友を連れて中に入った
俺は本当に無知だった
正面の大きなガラス戸は片方が外れていた
中は新築同様だった、すごく異様だった
なんで廃墟なんだ?と思った、すぐにでも利用できそうな状態だった
キレイな廃墟だなと友に言ったが上の空だった
友は帰りたいと言い出した
まだ入り口からすぐの通路だった
俺は2階も見てみようと言った、友は行きたくないと言った
俺は友を意気地なしだと言って2階へ登った
2階に登ると長い通路が待っていた
突き当りまでずーっと窓が続く、学校の廊下のような感じ
その途中にソファーの置いてある喫煙場所みたいなところがあった
そして床にカメラが転がっていた
撮影用だと思う、おおきいカメラ
なんか壊れていて誇りをかぶってた
220 :本当にあった怖い名無し:2010/05/04(火) 20:27:48 ID:iFjnJ3tm0
俺は急に怖くなったんだ
ここで何かが起こったんだと思った
そしたら1階から友の声が聞こえてきた
叫んでる感じじゃなく一定の声で「あー」と言ってる
急いで降りたら通路の入り口から反対の突き当たりにいた
本当に怖かった
友は突き当たりの壁に大の字になってピッタリくっついていた、壁に向かって
俺は近づいて声をかけたが「あー」と言ったまま壁に向いたままだった
肩を掴んだ瞬間、「ぎゃははは」と笑い始めた、壁に向いたままだ
俺はもうどうしようもなかった
怖くて恐ろしくて、逃げ出した
停めてあった車まで戻ったが鍵は友が持っていた
俺は戻りたくなかった
けどどうしようもなかった、建物に戻ろうとしたら
友が窓からこっちを見ていた
笑っていた
口が裂けるんじゃないかと思うぐらいの勢いで笑っていた
俺は友のイタズラに騙されたのかと思ったが違かった
よく見ると泣きながら笑っていた
窓にべったりとくっついてすごい笑っていた
夕日が窓からずれて反射がなくなり中が見えた
友の周りに、一階の通路を全部埋め尽くすように人がいた
よくは見えなかったが人の形をしていた何かが友に押し寄せるように
満員電車みたいにひしめいていた
222 :本当にあった怖い名無し:2010/05/04(火) 20:39:25 ID:iFjnJ3tm0
俺はもうその時半分、発狂していたと思う
山を駆け下りて自力で町まで降りてきちゃったんだ
その時はもう夜で俺は何とか駅まで来れた
疲れたという感覚が無かった、少しでもあの場所から遠ざかりたかった
運良くタクシーが捕まり、住所だけ伝えて頭を抱えて震えてた
窓を見たら何かが居そうで怖かったんだ
家に着いたら布団に潜ったが、怖くなってコンビニ行って朝まで過ごした
朝になって落ち着いたら重大な事をしたと後悔した
友を置き去りにした
でも二度とあそこには行きたくない
バイトを無断でやめて、ブラブラしていた
軽く不眠になってファミレスとかで夜を過ごしていた
しばらくして電話をしたら友は戻ってきていた
俺はなんて言っていいかわからなかったが、友は何が?と言っていた
自分がどうなっていたのか覚えていなかった
223 :本当にあった怖い名無し:2010/05/04(火) 20:50:06 ID:iFjnJ3tm0
一ヵ月後に友は死んだ
自殺か事故かはわからなかった
あそこに行ったせいだと思う
そして俺のせいだ、俺が逃げたせい
テレビ局もあれにあって取材を中止したんだと思う
あそこは人が入っていい場所じゃないんだ
GWになるといつも思い出してしまう
悩みを人に聞いてもらうと楽になるというが
少し気持ちが楽になった気がする、ありがとう