458 :本当にあった怖い名無し@無断転載は禁止:2016/11/07(月) 23:55:07.83 ID:WzjNEpLx0
で、ホントにコレはヤバイと思って、
距離がある内に前に急いでアクセル踏んだ。
バックミラーで、石を思いっきりふりかぶって
投げてる姿が見えたけど、見なかったことにした。
一旦走り出すと、とてもじゃないけど
止まって電話かける気にはなれなくてさ。
とにかくこの道さっさと離れて、人のいるところまで走らせて、
それから警察に行こうって思ったのよ。
でもさ、ヘアピンカーブが続いて、ちょっとしたところだったかな。
またいるのよ、さっきの女。
進行方向直線上に。
パニくったとしか言いようがない。
ただ、止まるワケにはいかないって気持ちだけはあって。
飛び込んでこないかだけ心配だったけど、
立ち尽くしてる女の前で思いっきりアクセル
踏んでも右斜線から追い抜いた。
上手くいったことにホッとした気分なんてまるでなくて、
もう、これ、本当に俺、オカルト体験ってヤツをしてるのかって
思いもしたんだけど、ナビでしばらくヘアピンカーブが続くのを見て。
あれ? アイツ、もしかして、
ヘアピンカーブをまっすぐ降りてきたんじゃないか?
って気が付いて。
車で山道を下りるときって、かなり蛇行するから、
そこを直線でまっすぐ降りれば歩きだとしても相当時間を短縮できる訳で。
いや、勿論、街頭もない山道でそんなことやる時点で頭おかしいんだけど。
459 :本当にあった怖い名無し@無断転載は禁止:2016/11/07(月) 23:56:23.38 ID:WzjNEpLx0
でも、それって。 またいるんじゃね? ってことも意味してて。
エンブレかけながらも可能な限りスピード上げて、
ひたすら山道を下ってくんだけど、
ヘアピンを下っていくのはそれなりに時間がかかる訳で。
俺の努力も空しく、やっぱりいたんだよ、また。あの女。
今度は小さなトンネルの先。
出口先のカーブを塞ぐみたいに立ってて。
街頭もない山道で。片足裸足で。
もうここまでくると、
もしかして居眠り運転で夢見てんじゃないかってくらい現実感なくて、
ただ、またここで止まる訳にはいかないって気持ちと、
今度は飛び出してくるんじゃないかとか色々不安になりながら
減速気味で距離を詰めて右斜線にハンドル切ろうとしたときに。
こっち見ながらニヤニヤ笑ってるのが見えてさ。
反射的に思いっきりブレーキ踏んだ。
今思うと、それで正解だったんだろうなと思う。
反対車線から、トラック出てきたし。
いや、トラックも近くにいる女に気付いたのか
思いっきりブレーキ踏んでたけど、
俺が加速して右斜線にはみ出してたら衝突してたろうなと。
で、俺の車のライトとトラックのライトに照らされながら、
女はまた林のほうに入ってった。
460 :本当にあった怖い名無し@無断転載は禁止:2016/11/07(月) 23:57:03.44 ID:WzjNEpLx0
トラックの運ちゃんの顔は高さ的に見えなかったけど、
ゆっくり俺とすれ違ってそのまま俺が来た道を走ってった。
俺はと言えば、トラックとすれ違った直後から
ひたすらダッシュしてた(勿論車で)。
ヘアピンでカーブもショートカットできそうな地形も、
その先はほぼないように見えたから、そりゃもう思い切り。
幸い、あの女にもう会うことはなかった。
それから先は、元々の目的地だった弘前について、
どこいく訳でもなく交番に直行。
とはいえ、直接的な被害が車にも俺にもないから、
とりあえず話は聞いてくれたって程度だった。
徘徊か酔っ払いか、みたいな。
情報は共有しときますってどっかに連絡入れてはくれたけど。
その後は正直旅って気分でもなかったけど、
一人で駐車場で寝るみたいな気分には到底なれなくて、
24hサウナつきのカプセルホテルに泊まった。
人もそこら中にいるし、男だけの空間なのがありがたいと
感じたのはこのときくらいだろうと思う。
朝になってから、昨日付けの事件とか事故とか不明者とかの
ニュースがないか携帯と新聞で調べてみたけど、
特にそういう情報はなかった。
帰りは、四の五の言わずに高速使って帰ることにした。
結局、あれがなんだったのかは未だに分からない。
けど、しばらく山道を車で走る気にはなれないって話でした。