本文
361 :1/3:2012/02/02(木) 15:23:00.75 ID:7Ga3oUvA0
ありふれた怪談話のようですが実話です
子供時代の記憶なので細部は合って無いかもしれませんが
長文でよければお付き合い下さい
父は憑依体質というか、毎晩のように唸される人だった
対して母はまじない師の家系だったからか、そういうのを跳ね除ける人
父が唸されても、母が胸あたりをペシッとすれば収まっていた
大雨が続いた秋だったと思う
ある夜から父が尋常じゃない唸され方をするようになった
金縛りにあい、家中に響くような大きな声で唸る
半月ぐらい経った頃、金縛りにあった父がふと横を見ると、そこには白装束の老婆が
あちらを向いて横たわっていた。いよいよ見えるようになってきた
父は日に日にやつれていく
ある夜。すさまじい唸り声が父の寝室から聞こえた
起きていた私は寝室のドアを開けようとしたが、頭の中で警報というか「開けるな!」
という声を聴いたような気がして、
あわてて風呂に居た母を呼びにいった
362 :2/3:2012/02/02(木) 15:23:30.48 ID:7Ga3oUvA0
母はすぐに出てきて、寝室のドアを開けた
その瞬間、私は見てはいけない!と反射的に顔を背けた
父は白目を剥いて悶えていたらしい
母が頬を張って叩き起こすと、真っ青ながらも正気に戻ったようだ
翌朝父は、寝室のタンスのガラス戸から、あの老婆がぬう~と出てくる夢を見たと、
震えながら語った
当時、私はキョンシーのグッズはまっており、お札に悪霊退散と書いて念を込め、
そのタンスのガラス戸と、窓の方に貼った
次の日父は久しぶりに唸らなかった
しかし次の夜、最大の恐怖がやってくる
父は寝て居ながらも、家全体の事が見えたらしい
寝室の外から、老婆が入ってこようとしていた。しかしその位置にはお札がある
タンスのガラス戸からもダメだった
そこでトイレ側の窓をぬっと通りぬけ、物凄いスピードで寝室の戸をすり抜け、父の方へ…
その夜、凄まじい父の叫びが響き渡った
いよいよ尋常じゃないと、何でも見えるという、この地方の言葉では「ほっしゃどん」という
霊能力者に見てもらうことになった
363 :3/3:2012/02/02(木) 15:25:23.36 ID:7Ga3oUvA0
その方は、確かに父に老婆が憑いているといい、なんとその老婆の名前を口にした
父はその名前に覚えがあった
昔近所に住んでいたおばさんで、小さい父を色々と可愛がってくれていたそう
ほっしゃどんが言うには、「あなたに救いを求めている。墓を見てみなさい」
翌日、親戚の方に了解を貰い墓を見に行った
墓の中で遺骨は、骨壷にも入っておらずただバラ撒かれ、長雨のせいで水に浸っていた
なぜそんな状態だったのか
老婆には子供や旦那などが居なかった。つまり一人っきりだった
なので亡くなった時、一番近い親族のTが葬儀をしたのだが、Tは骨壷すら惜しんだ
この親族Tは有名な守銭奴で、老婆の財産なども根こそぎ騙し取ったり、酷い事をしていたそうだ
墓は別の親戚に頼み、その帰りに父と母はTの家付近に寄って言った
「自分に頼られてもどうしようもない。恨むなら、このTさんを恨んで下さい」
翌日から、父の霊障は無くなった
数ヶ月後、Tは脳溢血で倒れ半身不随となり、その後まもなく亡くなった
私達家族は因果応報の怖さを噛み締め、長かった恐怖が終わった事を感じた
これが我が家で一番怖かった霊体験です
父はなまじ霊感があったせいで頼られたようです