『怖い』を楽しむオカルト総合ブログ

怪談夜行列車

【新作洒落怖】リゾートホテル

投稿日:2021年11月2日 更新日:

本文

525 :リゾートホテル1:2001/06/16(土) 21:40

ある旅行会社の添乗員が、ツアー客と共に沖縄のリゾートホテルへ行った。
そのリゾートホテルではプライベートビーチを持っているのだが、そのビーチ
には潮の関係でよく死体が打ち揚げられるという。
そのうちあげられた死体は一時ホテルの部屋で保存される事もある。
その部屋は普段はもちろん使われていない、ホテルの一階にある部屋だったが、
この添乗員はその部屋を使う事になった。時期がお盆でどこの部屋も空いてい
なかったからだ。

526 :リゾートホテル2:2001/06/16(土) 21:50

添乗員は疲れもあり、寝入りこそ良かったものの、夜中、
壁に向かって横向きに眠っていたその背後の気配に気がつき
目が覚めてしまった。
この部屋の中で何人かが話し合っているような気配だった。
その何人かは時々添乗員に聞こえる声で、「おまえも入らないか」
と誘ってくる。そしてその何人かは添乗員が起きている間にも
増え続け、最終的には15,6人ほどの気配がするまでになった。

527 :リゾートホテル3:2001/06/16(土) 21:57

その間にもその何人かは添乗員に「入ってこい」と誘いをかけ、
ついには「こい」という声と共に肩にぽんぽんと叩かれ、つかま
れるような感触までも感じるようになった。
添乗員は冗談ではない、と思ったが、ここは無視するに限る、と
冷や汗と寝返りをうちたくなる衝動をぐっとこらえ、うその寝息
をたてていた。

528 :リゾートホテル4:2001/06/16(土) 22:11

彼らは時々添乗員に声をかけるものの、自分達の話が盛り上って
いるようだった。しかしながら添乗員は一時も気を抜けなかった。
気を抜くと振り返らせられそうで恐かったからだ。
それを延々二時間ほど続けていたらしい。
窓から薄明るい光が射し込んできた。すると、それに伴い小さ
い部屋から気配が少しずつ消えていくのが分かる。
そして、日が明るくなるに連れて気配は消えていき、とうとう
彼が薄目を開けると、前の壁に朝日の光が当たっていた。
朝が来た、と添乗員が体の力を抜いた瞬間、
「ほんとはおきてたくせに」
と耳元で声が聞こえ、今度こそ完璧に部屋の気配はなくなった。

出典http://curry.2ch.net/test/read.cgi/occult/989409611/

  • B!

RECOMMEND

1

概要 2ちゃんねる・5ちゃんねる発祥の名作怪談「リョウメンスクナ」をアーカイブ&考察。 くねくね・八尺様・コトリバコなどと並んで洒落怖をジャンルとして確立した名作だと思います。 両面宿儺(りょうめんす ...

2

カルト 先日の【映画評】来る ※気持ち悪い人間関係+超絶エンタメに続き日本の除霊エンターテイメント作品をレビュー。低予算ながらしっかり除霊エンタメしてるので、オカルト好きなら必見の作品ですぞ。※知らな ...

3

オー・マイ・ゼット! 2016年制作。 東京03の角田晃広さん主演。 なんだかなあという序盤。 登場人物達の人となりや背景が描写されるも全員うさんくさいしどうでもいい感じで進行します。 後半15分ぐら ...

4

私とあの人は、世に言うところの幼馴染ってやつでした。 とは言っても、幼稚園から一緒で小学校中学校と同じクラスで……なんていう甘酸っぱいもんじゃなくて、病院でね。 私もあの人も、生まれた時から体が弱くて ...