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259 :本当にあった怖い名無し:2011/05/13(金) 19:06:32.94 ID:+UMID+980
地震の影響で大学の日程がズレて、
GWだって言うのに、大学に行かなきゃならなかった。
周りの人間、ルンルン気分。
それ見てると、大学行ってる自分がアホらしくなったよ。
その時までは。
本当もう、その日は授業めいいっぱいで、疲れてたから。
早く寝たいー、ってただそれだけだった。
疲労もあって、すぐに眠くなってきた。
突然、周囲が何もかも灰色の世界にいた。
誰もいなくて、自分一人だけ。
ああ、夢だな、くらいの心境だった。
260 :本当にあった怖い名無し:2011/05/13(金) 19:07:42.06 ID:+UMID+980
その空間には、扉がぽつんとあった。
自分とは、大体5メートルくらい距離があったと思う。
黒色の扉で、どういう原理か分からないけど、開いてた。
でも、開いてるはずなのに、何も見えないんだ。
扉よりも黒い空間が、そこだけぽっかり空いてる。
夢だって、分かってた。
でも、何故か分からないけどすごく怖かったんだ。
がし、
何かに、右手を掴まれた感覚がした。
驚いて右手を見たら、影みたいな手?に掴まれてた。
261 :本当にあった怖い名無し:2011/05/13(金) 19:08:44.62 ID:+UMID+980
しかもその影、よく見たら扉から出てる。
自分はあそこに入りたくない。
でも、影がぐいぐい引っ張ってくる。
すごく強い力で、勝てなくてずるずる引きずられるだけで。
このままじゃ扉の中に
・・・・・って所で、目が覚めた。
まだ夜中で、寝てからそんなに時間は経ってなかった。
夢だったのに、もう馬鹿みたいに怖くてその日は寝れなかった。
これで終われば「寝ぼけてただけ。」で済ませられたんだけど。
262 :本当にあった怖い名無し:2011/05/13(金) 19:09:48.22 ID:+UMID+980
この夢、6日連続で続いたんだ。
しかも夜中に目がさめて、もう一度寝ると
・・・また同じ夢で、起きる。このループ。
しかも段々、自分の最初の立ち位置が
扉に近くなってるんだよね。
6日目はもう、右手だけ扉の中に入った。
氷に突っ込んだみたいに冷たくて、慌てて起きて
右手触ったら・・・冷たいんだよ。
もう、ただただ怖かった。
多分、次の夜寝たら引き込まれる。
夢の中での立ち位置考えたら・・・確信に近かった。
263 :本当にあった怖い名無し:2011/05/13(金) 19:10:52.74 ID:+UMID+980
その日はちょうど休日で。
夜中何度も起きたせいで眠いけど、寝たら・・・。
ふらふらだったけど、藁にも縋る思いで
一番近くの神社に行った。
そこの神社は、小さい頃から初詣で来てるけど、
実は自分、何の神様が祀られているのか、あまり知らなかった。
小さい頃、母が「稲荷神社」と言っていたから、
狐の神様なんだろうな、くらいの感覚。
とにかく何かに縋りたくて、
お賽銭あげて、「助けてください」
それだけ一心に祈った。
その日の夜は、怖くて仕方なかった。
死ぬのかな、死ぬのかな、死にたくない。
もう頭の中、完全にパニック。
今考えると引き込まれる=死ぬ
なんて確定してないし、おかしな話だと思う。
いっそ寝なきゃいいんだけど、生理現象には逆らえなかった。
264 :本当にあった怖い名無し:2011/05/13(金) 19:15:33.86 ID:+UMID+980
本当に目の前に、扉があった。
その時はもう、影が右手を掴んでいた。
夢の中で、情けないくらい悲鳴上げた。
死にたくない、死にたくない、って叫んだ。
ぽん、と。
パニックだった私の肩を、
誰かが叩いてくれた。
すにで狂ったみたいに騒いでて、
肩叩かれただけでも、発狂しそうだった。
叫びながら、思わず振り返ると
男の人だった、と思う。
黒い髪の男の人が、無表情で自分の肩を掴んでいた。
その人は何も言わないで、ただ自分を見つめていた。
自分もその人を見て・・・段々、騒がなくなった。
二人で黙って、見つめ合って。
その人は一度だけ頷て・・・空間に溶けるように消えてしまった。
数秒呆然として・・・慌てて右手を見たら、
掴んでいた影も、そこにあった扉も無かった。