451 :fumo8/9:2008/02/14(木) 10:21:46 ID:+y6jaZlM0
後日談として、つい最近、祭りとあの山について教えてもらえました。
以下、父の話を思い出しながら書きます。
あの山には昔、人食いの化け物(?)がいたそうです。村にたびたび下りてきては子供
を攫っていき、山で食べていたらしいのです。それをどうにかしたいと思った村人達は、
旅の偉いお坊さんに化け物を殺してもらうことにしました。
そしてお坊さんと村人達は、なんとか化け物を殺します。しかし、お坊さんは「これは
まだ自分が死んだとわかっていない。だから、本当の意味で死んでいない。これから
もこれを殺していかなくてはならない。それでもし死なないなら、それでも子供を救う
手はある」と、その方法を教えたそうです。
子供を救う手というのは、じいちゃんがやった歯を使うやり方だそうです。
アレは骨や歯を食べなかったそうで、その食べない部分を見せることで、「お前は
もうこの子を食べた」と思わせていたようです。普通は自然に抜けた乳歯をあの祠に
持って行くんだそうです。(そういえば、抜けた乳歯はばあちゃんに取り上げられてい
ました)
私はアレに姿を見られていたので、もう一度歯を抜かれ、そしてもう一度見られない
為に村を離れることになったというわけです。
452 :fumo9/9:2008/02/14(木) 10:22:43 ID:+y6jaZlM0
そして、あの祭りはアレを殺した時の再現なんだそうです。しかし、殺すというより封
じると言ったほうが良いかもしれません。B君の件で、若い村人達(といっても全然若
くない)もアレの存在が伝承ではないと知ったようです。なにより、まだ人を食おうとして
いるのですから。
本当なら、この話は乳歯が全て永久歯に生え替わった時点で聞かされる話だったよ
うです。知らない方が山に関わるまいとのことらしいですが・・・私は土地の人間では
ないことになっていたので、最近になってやって聞けました。
そして話の中で、父から村の過疎化を聞かされました。
もしかしたら、近い内に廃村になるかもしれない、とも。
もし誰もアレを殺す人が居なくなったら、アレはまた人を食おうとするのでしょうか?
止めてはならない祭りというのもあるのだと、そう思いました。