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598 :本当にあった怖い名無し:2010/06/04(金) 15:21:12 ID:+oHGTq2T0
ある日、知らず知らずに『出る』というホテルに泊まってしまった。
俺自身は小さい頃はともかく今はまったく霊感がない。
実際そこに泊まっても特に何も起きなかったし感じなかった。
だが、家に帰ると猫の様子がおかしい。
何故か怒ってる。
黒猫はよく家の入り口の門柱の上で丸まっている(狛猫状態w)んだが、その時は全身の毛を逆立てて眼を真ん丸に見開いて睨んできた。
ちょっとビビって立ち竦んでると、茶猫の方がどこからか物凄い勢いで駆け寄ってきて、こちらもこちらで尻尾を膨らませて威嚇の唸り声を上げてくる。
何か嫌な臭いのするものでも…と一瞬思ったが、幾らなんでも様子がおかしい。
下手に近付くのも危ないなと思ってしばらく待ってたんだが、茶猫の方がじわじわと近付いて来た。
そのままこちらの背後に回りこむ。
そして何故かこちらに背を向けて、外側の空間を威嚇し始めた。
その時は曰くつきのホテルに泊まった事自体を知らなかったし、前述の通り霊感もないので実感こそなかったものの、何となく(何かに憑かれた?)と思った。
動くに動けずしばらく硬直していたけれど、急に風が(嫌な感じじゃなくて、体の中も通り抜けるような涼しげな風が)吹いた。
そうしたら茶猫がいつもの調子に戻って足に頭を擦りつけて懐いてきた。まだ尻尾は膨らんだままだったけど。
黒猫に至ってはそ知らぬ顔で顔を洗い始めてる。
猫達なのかあるいは氏神様や土地神様が助けてくれたのかは解らないけど、とりあえずその日は神棚と仏壇を拝んで、猫をたっぷり可愛がって一緒に寝た。
書き込んでおいてなんだけど、後日ホテルの名前を何気なく調べたらそっち系で有名なホテルと知ってちょっとビビった