946 :本当にあった怖い名無し:2010/05/19(水) 23:12:56 ID:GIe+3Plj0
文集を持ったまま色々思い出してるうちに、やはり死因がどうしても気になって、
A妹に電話した。
「明日ヒマか?」
「昼間なら大丈夫だけど」
「んじゃ兄貴だからメシでもおごってやろう」
と言って半ば強引にA妹と約束を取り付けた。
翌日、A妹と郊外のアウトレットに行き、メシを食って、午後3時前にはそこを出た。
帰りの車の中で、A妹とAの思い出話をする。
どう切り出すか迷ったが、A妹がAの予知夢の話をしたので、
ここぞと思い、こう切り出した。
「予知夢が見られるなら、トラックの件も先に気づければよかったんだけどな・・・」
947 :本当にあった怖い名無し:2010/05/19(水) 23:14:40 ID:GIe+3Plj0
「うん・・・、あのね」
「うん?」
「これ本当は言っちゃいけないって言うか、言うなって言われてるし、あまり話したくないんだけど」
「うん」
「お兄ちゃん(Aのことね)、トラックじゃないの」
「・・・どういうこと?」
少し間をおいて、A妹は話し始めた。
「あの日のことだけど・・・」
「お兄ちゃんと私は一緒の部屋に寝てたんだけど、 朝起きたらお兄ちゃんはまだ寝てて、私は一人で居間に行ったの」
「ちょっとしたら突然子供部屋から、お兄ちゃんの叫び声が聞こえて、ぎゃーー って」
「お母さんが慌てて子供部屋に行ったら、お母さんも悲鳴あげちゃって」
「びっくりして私も部屋に行ったんだけど、、、そしたらお兄ちゃんが・・・」
オレは黙ってA妹の次の言葉を待っていた。
949 :本当にあった怖い名無し:2010/05/19(水) 23:16:59 ID:GIe+3Plj0
「・・・焼けて、死んでた・・・」
「焼けて?」
「黒こげって言うか、真っ黒って言うか・・・」
A妹の手が震えてた。
オレも少し震えてた。
「私が子供部屋を出て、ほんのちょっとの間に、そうなって・・・」
オレは正直言葉を無くしてしまって、ただ頷くことしか出来なかった。
「ごめんなさい、変な話しで・・・」
「いや、いいよ、オレもAの最後のこと、知りたかったから」
オレはその時頭の中でぐるぐる色々と考えてて、
もしかして人体発火現象ってやつか? と思い、更に一つだけ聞いた。
「ごめん、一つだけ聞きたい、人体発火現象って知ってるか?」
「うん、前に調べたことあるけど、あれじゃない」
「まるで炭のようになったって後から聞いた」
ほんのちょっとの間で炭に?? そんなことあるのだろうか。
どういうことだろう・・・。
オレとA妹は、そのまま言葉を交わすこともなく車を走らせ、
「またね」の挨拶で別れた。
んで悶々として今に至る。
ここからはオレの予想でしかないんだけど、
Aは「予知夢で見た火事」で「やけど」を負っていたから、
もしかしたら「予知夢」ですごい火力に遭遇したとか・・・。
でも、人体が瞬間的に炭になるようなことってあるんだろうか。
オレにはわからんけども。
Aは最後に何を見たのかなぁ。