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154 :本当にあった怖い名無し:2013/06/23(日) 21:31:49.36 ID:4o01EuwX0
大学4年生の初夏の話
といっても2年前だけれども…
アパートは都心から離れるため, 衣服や家電関係は車でないとなかなか行き難いものがあった.
ある日, 仲の良い友人Aと, 私の車で服を買いに行こうという話になった.
156 :本当にあった怖い名無し:2013/06/23(日) 21:35:44.34 ID:4o01EuwX0
ところが, 私の車のバッテリーが上がってしまっていた.
普段なら車のことは後にして電車で行こうと思うのだが, 何故かバッテリーを充電しようと思った.
近場で且つ車持ちの友人に連絡を取ってみたところ,
友人Bが「都心の駅まで送迎をしてくれるなら, 車を貸してやんよ. 迎えは深夜だけどwww」と言ってくれたので,
内心「なら充電させてくれた方が(ry」等と思いつつ, そこは承諾.
157 :本当にあった怖い名無し:2013/06/23(日) 21:38:49.85 ID:4o01EuwX0
Aにこれまでの経緯を説明し, これから一緒にB宅へ向かう旨を話した.
もともと大らかな性格Aは快諾してくれた.
しかし, Aが「歩くのタルいからBをこっちに呼んで, 充電してから行こうぜ」と言い出した.
私は「さっき快諾したやん!?」と思ったが, そもそもの原因は私なので, Bと掛け合ってみると,
充電は嫌だが車を持ってくることは承諾してくれた.
この時点で, なんか違和感があった.
158 :本当にあった怖い名無し:2013/06/23(日) 22:48:13.52 ID:s2tM8Pn00
ほどなくして, Bの車が到着し, A, Bと駅へ向かい, その後Aと買い物を楽しんだ.
都心までの道程では踏切を一度渡ってから, 線路沿いを走っていくという感じだ.
通いなれた道であるためカーナビを使うことはなかった.
しかし, Aが妙に緊張というか不安を感じているのが分かった.
私が慣れない車(私の車は普通車, Bのは軽というのもあった)を運転してい訳だし,
そもそも私の運転がDD(Deth Drive)と言われるほど, お世辞にも上手とは言えないのもあるのだろうと思ってた.
159 :本当にあった怖い名無し:2013/06/23(日) 22:54:57.30 ID:s2tM8Pn00
買い物が一通り終わったAと私は, Bの迎えがAM2:00ということもあり, 一旦帰路についた.
この時もAから緊張が感じ取れたので, 和ませようと夏の定番怪談話をした矢先だった.
今まで沈黙していたカーナビが「700m先目的地です」と言ったのだ.
その前の怪談話もあり, Aと私はかなりビビッて顔を見合わせた.
だが何より驚いたのは, 700m先は踏切の真上だった. カーナビの画面も目的地が踏切になっている.
160 :本当にあった怖い名無し:2013/06/23(日) 22:58:54.18 ID:s2tM8Pn00
私の知る限り, それまでカーナビにはAもBも触れていない.
お互いカーナビの調子が悪かったということにし, カーナビの目的地を削除した.
どちらにせよ踏切は渡らなければ帰れないので渡ったのだが, 渡り切った後でカーナビが道案内を始めた.
Aと私は無言で見合わせ, もう一度カーナビの画面を確認.
目的地は踏切. しかもこの先にあるところだ.
162 :本当にあった怖い名無し:2013/06/23(日) 23:04:22.48 ID:s2tM8Pn00
最早, 調子が悪いなんて事ではない. 幽霊かそういうものだと感じた.
とりあえず無視することにして, 車を走らせた.
その間, 踏切を目的地にしてカーナビの案内が続いた. 初めの数回は目的地の削除をしていたが, 効果がなかったのであきらめた.
通り過ぎる度に, その先にあるものを目的地にした道案内が続くので, Aと私は恐怖とパニックで半泣きだった.
通り過ぎる踏切がなくなったところで, ラジオから感情のない女性の声で「おろしてよ」と声が聞こえてきた.
163 :本当にあった怖い名無し:2013/06/23(日) 23:07:54.79 ID:s2tM8Pn00
私は「ギャッ」とうめいてしまった. Aはうつむいて無言だった.
ラジオからは「早く戻って」と声が続いた...
さらに怒った感じで「早く...」と聞こえてきた辺りで, Aが堰を切ったようにキレてラジオに罵声を浴びせだした.
「ふざけるな!!」「昼間からまとわりついてんじゃねーよ!!」「キレたいのこっちだ!!」
「お前なんざ消えちまえ!!」「失せろ!!」的なことを矢継ぎ早に言いながら, ラジオをガンガン殴ってた.
164 :本当にあった怖い名無し:2013/06/23(日) 23:12:30.22 ID:s2tM8Pn00
運転しながらキレてるAの横顔を見たら, 涙流しながら鬼のような形相してた.
数分後, またAは無言になったというか眠ってた.
いつの間にかカーナビの目的地は消えており, ラジオからも声が聞こえなくなっていた.
家についたところで, Aを起こした.
「昼間からまとわりついてた」ってところが気になって, どういうことか聞いたが「何のことだ?」返ってきた.
166 :本当にあった怖い名無し:2013/06/23(日) 23:16:23.53 ID:s2tM8Pn00
そもそも, 最初の「おろしてよ」辺りで意識がなかったらしい.
キレてたあんたはなんなんだよ?とか, 昼間からってなんだよ?とか, いろいろ疑問が残ったが大事に至らなくて良かったということで, めでたしめでたしとなった.
それ以来, Aと私はBの車に乗らないことにした.
Bのお迎えに関してだが, 何故か私の車のバッテリー上がりが直っていたので, 私の車で行きました.
私の車からは怪奇現象は起きなかったし, 事故を起こしそうになるとかもなかった.
167 :本当にあった怖い名無し:2013/06/23(日) 23:23:18.47 ID:s2tM8Pn00
Bには「俺の車で充電したのかよ!?」と怒られたが, とりあえずそういう事にしておいた.
怪奇現象については伏せてカーナビ故障してるぞと言うと, 故障も何もカーナビ使ってないから線を切ってあると返ってきた.
最早, 「そうか...」としか言えなかった.
ちなみにAがキレるところを見たのは, 後にも先にもあれが初めてです.
カーナビやラジオの件も怖かったけど, あの時のAの顔は恐さと意外さで今でも頭に焼き付いている.