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89 :本当にあった怖い名無し:2010/07/16(金) 00:46:10 ID:JGsjdN2x0
7年前の話。
大学入学で上京して高田馬場近辺にアパートを借りて住んでた。
アパートは築20年くらいで古かったけど6畳の和室と続きで、ふすまを挟んで
4.5畳くらいのキッチンがあるっていう
東京での学生の一人暮らしには充分すぎるほどの部屋だった。
大学に入学して初めての夏。
暑かったからその日はキッチンと和室を隔ててる
ふすまを開けっぱなしで寝てたんだ。
足をキッチンに向ける格好で。
寝たのは0時過ぎくらいだったと思う。
2~3時くらいだろうか?
ふと目が覚めて、なんとなく頭だけ起こした俺は
驚愕した。
90 :本当にあった怖い名無し:2010/07/16(金) 00:47:48 ID:JGsjdN2x0
キッチンに小学校の低学年くらいの男の子が
こっちをじっと見て立ってた。
手にはサッカーボールを持ってるのがはっきり見えた。
その子はじーっと俺をみたまま、
「ねえ、遊んで・・・」
とひとことつぶやいたんだ。
すごい悲しそうな声だったのを覚えてる。
俺はパニックっていうか、めちゃくちゃ怖くなって
でもなぜか声がでなくて
「ヒっヒっっ」
みたいな変な声出しながらとにかくシーツを頭からかぶって
その子が消えてくれることを願った。
でもその子はそれから、しばらく
「遊んで・・・」
「遊んで・・・」
「遊んで・・・」
「遊んで・・・」
「遊んで・・・」
って訴え続けてきて・・・
俺は声にはならないけど
「ごめん、無理、無理、無理!」
って心の中で叫んでた。
91 :本当にあった怖い名無し:2010/07/16(金) 00:48:47 ID:JGsjdN2x0
そしたら、今まで以上に、悲しそうに、残念そうに
「遊んでよ・・・」
って声が聞こえてきた。
それからしばらくシーツの中でガタガタ震えてたんだけど
声がしなくなったから、勇気を出してもう一度、キッチンの方を見たら・・・
その子はもういなかった。
ほっとしたのと同時に、また怖さがこみあげてきて、友達という友達に電話したんだけど
誰も出ない。
このまま一人で家にいるのも嫌になって、家を出て、近くのコンビニに駆け込んで夜を明かした。
家に出るとき、気づいたんだけど、玄関のカギ、開けたまま寝てたんだよね。
で、俺は無理やり自分を納得させようと、きっと、どこかの子が俺の部屋に来たんだな
と思いこむことにした。
夜中の2時3時に男の子が知らない人の部屋に来るなんて考えられないけど
そう思いこまないと、怖くてどうにかなりそうだったんだ。
で、自分に暗示をかけるように思いこんでいたのと、夜はなるべく友達と一緒にいるようにして
(もともと大学が近いからたまり場になってたのもあって)過ごしていたら不思議なものでだんだん怖さも
薄れていった。
93 :本当にあった怖い名無し:2010/07/16(金) 00:52:18 ID:JGsjdN2x0
しばらくして、俺のアパートの前の早稲田通りを挟んで向かいのある飲み屋(今はもうないけど、チェーン店として別店舗が存在してるので名前は控える)に飲みに行ったんだ。
そこでは俺の同期の奴がバイトしてたのもあって、良く利用してた。
で、そこに行くたびに思ってたんだけど、店の奥にトイレがあってその周辺が店の中で
死角になっているような、そんな一角があったんだ。
そこが、なんか上手く言えないけど不気味な雰囲気があったんだよね。
で、その日もバイトに入ってたその友達に聞いてみたんだ。
そしたら
「俺くんも?そう言うお客さん、よくいるんだよ・・・
最近も、店長が実際に見たって」
ぞっとした。
俺、霊感とかないと思ってたけど、なんとなくだけどそういうのが分かってしまったわけだから。
同時に、あの男の子のことも思いだして、またゾワってなった。
で、詳しい話が聞きたくなって、そいつがバイト終わるのを待って、話すことにした。
94 :本当にあった怖い名無し:2010/07/16(金) 00:54:29 ID:JGsjdN2x0
そいつの話を要約するとそこの店は平日23時で終わるんだけど、片づけとかが長引くと終電なくなるから
店長は店に泊ることがよくあるんだって。で、その怪しい一角のあたりに横になるらしいんだけど、そこにサッカーボールを持った小学生ぐらいの男の子とその母親らしき女性が手をつないで
立ってたらしい。
サッカーボールを持った小学生
…それ、俺んとこに来た子と一緒だ……
そんなことがあるんだ、そして俺が見たのはやっぱり本物だったのか……。ってなって、本当怖くなって、友達の前でガタガタ震えて、泣いてた。で、その店長にも俺が見たことも話したんだけど、店長はある事故について教えてくれた。
何年か前に、近くの早稲田通りと明治通りの交差点で母子が轢かれて亡くなる事故があったんだって。
店に出た親子はその親子なんじゃないかって。
店長はその二人を見たときにとっさにそう思ったんだって。
で、その男の子がたまたま俺の部屋に遊びに来たんじゃないかって。
そのことを聞いて、怖さもあったけど、なんだか悲しくなって。
あの「遊んで・・・」っていうのも、あの子の悲痛な叫びだったんだなって。
ボロボロ泣いた。
その夜のうちにその友達と交差点に行って手を合わせた。
いつも通り、周辺で騒ぐ学生たちが対照的でなんか印象的だった。
でも結局、気持ちの良いものではないので、その部屋はすぐに引き払ったけどね。
その店もしばらくして撤退しちゃったけど、そこに入る店ってなぜか続かないんだよね。。。
っていうお話でした。
書き込みなれてなくて、ごめんなさい。。。
久々に思い出しながら書いたら背中のあたりがぞぞぞってしてきた。。。