本文
793 :1/2:2009/08/20(木) 09:49:49 ID:RGoFZR1/0
俺がじいちゃんと日光東照宮に行ったときの話。
小学6年生くらいのときだったかなぁ。
いろは坂を車で登っているときに爺がサルを跳ねてしまった。
じいちゃんは顔色ひとつ変えずに「いっけねぇ、ナンバーぶっ壊れてんぞ!」と車の心配をしていた。
俺はちょうど「幽霊」「呪い」とかを信じていた頃で本当に怖くてじいちゃんに泣きついた。
だって、死体と目が合っちまったんだもの。怖いよな。
東照宮から帰るとき、サルを引いたところまで来たけど死体はなくなっていた。
市役所かどっかが処理したんだろう。
帰ってきて暫くしてからだった。おかしくなったのは。
俺が夜中に目が覚めて、トイレから自分の部屋に戻りドアを開けると目の前に何かがあるわけよ。
一瞬「ん?」ってなったけど事の重大さに気づくのはそう時間はかからなかった。
猫みたいな獣が2本足で立ってじぃーっと赤い目でこっちを睨んでるわけ。俺は生まれて始めて失神した。
次の朝、俺は家族に話したんだけどさ、当然のごとく信じてもらえないわけよ。
じいちゃんと婆だけはまともに話を聞いてくれて「ウチもそろそろ時期だなぁ」と神棚で神様を祀り始めたわけ。
そしたらもうあの幽霊は出てこなかった。
795 :2/2:2009/08/20(木) 09:59:43 ID:RGoFZR1/0
それから時間が経って俺は高校2年生。夏休みの頃だった。
あんな忌まわしいことなんてすっかり頭からなくなっていた。
剣道部を退部した俺は毎日、漫画を読み漁って暇を潰していた。
いつものようにバイクで本屋までひとっ走りしていたら目の前に何かが飛び出してきた。
(え?)と思った頃には遅くて犬を弾き飛ばしてしまった。
ヤベェ、と思って家族に連絡すると母親が「あんたバカでしょ、今、車でそっち行くから待っとけ!」
面倒なことになったなーと思って待ってるとあの忌まわしい事件を思い出してしまった…。
そう、猿を引いてしまったあの事件を・・・。
その瞬間、背中がモワーっとした感覚に襲われた。視線を感じる、マジやばい!
俺はバイクを飛ばした。直感的というか本能的にそうした。
今、犬は自宅で暮らしてる。
あの背中を襲った「何か」も家にいる間は何ともないんだ。
ただ、外にでるとたまーに感じることがあるんだよね。猿を。
俺もそろそろ一人暮らしをするんだけどさ。
一体どうなっちまうんだろう。