『怖い』を楽しむオカルト総合ブログ

怪談夜行列車

【新作洒落怖】落ちてきた何か

投稿日:2024年8月9日 更新日:

本文

0694 本当にあった怖い名無し 2024/02/23(金) 21:07:02.27ID:G0NPW97O0(1/2)

旅行へ行き、遠出した俺は帰り道に高速道路の料金を浮かそうと途中酷い道という意味での酷道を走っていた。
既に日は沈み夜の8時頃、辺りに民家もなく山間の道を走るその道は車のライトだけが光源ですれ違う車も俺以外の通行者もなく、前後数キロは完全な闇だった。
酷道を30分程走った頃だろうか。
ふとカーナビから音がする。ナビ中の道に渋滞や通行止めの情報がある時、カーナビはピロン♪という音を出してルートの再検索や到着時間の修正を行うのだが、不思議と音がしただけで特に何の情報も更新されていない。
立て続けに4度程、ピロン、ピロン、ピロン、ピロンと音がする。
おいおいこの先で事故でもあったんじゃねえだろうなとぼんやり考えながら、でも画面には何も表示されていないという事に安堵しつつ車を走らせていた。
その時は周りに車もいなかったので、走行中ライトはハイビームにしていた。
ふと、20mくらいすぐそばに見える、道路にはみ出した木の枝の上に、ぼんやりと輪郭だけ何かがぶら下がっているのが見えた。
ハイビームでも流石に高い所は見えないなと思いながらその下を通り過ぎる直前、枝の上に居た何かが降ってきた。
本当に一瞬で見えなかったが、目の前に落ちてきたのは白い何かに包まれた赤子に見えた。反射的に悲鳴を上げ、ハンドルを切りながら急ブレーキをかけた。
車体は山道にはみ出し、近くの木に擦ったが幸いスピードは殆ど出ていなかった為道路から大きく外れることはなかった。
今の、人か、俺は、人を跳ねたかもしれない、パニックと恐怖で荒い呼吸でガタガタ震えながらも車の周囲を確認する。
車に何かがぶつかったり大きなものに乗り上げたりした感覚はなかったが、頭上から降ってきた赤子は無事ではないだろう。
そのまま15分くらいだろうか、誰か!誰か!と叫びながら携帯のライトを頼りに周辺を探し回り、斜面の下を覗き込んだりしたが特に人が居た形跡は見当たらなかった。

0695 本当にあった怖い名無し 2024/02/23(金) 21:07:11.83ID:G0NPW97O0(2/2)

乾いた道路のアスファルトには血の一滴も落ちておらず、不安に思いながらも冷静さを取り戻した俺はゴミか何かを人と見間違えたのだろうと一人納得してそのまま帰った。
それから数ヵ月後、洒落にならない後日談が出来た。件の道だが、若い夫婦が生後間もない我が子を死体遺棄していたという事件が起きた。
事件のあった(遺体の発見された)場所と俺が見た場所は大分距離が離れていたため、冷静に考えるならたまたま見間違いと偶然が重なったのだろう。
だが、時々考えてしまうのだ。あの赤子は本当にそこに居たのではないかと。

出典https://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1702761162/

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