本文
0920 本当にあった怖い名無し 2022/11/24(木) 00:00:05.09ID:40QkwTYN0
ワシは釣りが好きで、海川関係なくやってた。それが川に行かなくなった原因の話。
その昔。当時、川釣りをよくしていた。
仕事が夜遅くなることが多く、立地が自宅〜職場〜釣り場、な位置関係となるその川。職場からでも1時間程度かかる為、仕事終わりにそのまま釣り場近くで車で寝て、朝になると川に入る、なんて事をしていた。
0928 本当にあった怖い名無し 2022/11/24(木) 00:06:03.06ID:40QkwTYN0
職場からでも1時間程度かかる為、仕事終わりにそのまま釣り場近くで車で寝て、朝になると川に入る、なんて事をしていた。
その日も渓流に行く為仕事終わりにダラダラ走り、釣り場の少し手前にあるイベントホール、まあ、道の駅みたいなもの、の駐車場で寝ることにした。そこでの車中泊は初めてではなくて2、3度目。だから慣れた感じで車を停めた。
街灯が2、３本あって、トイレや自販機もある。車中泊にはもってこいだから、たまに使っていた。
しかし渓流という事もあり、山奥なのであまり他の車を見たこともなかった。
当時の自分には、それは良い事だった。
周りを気にせずにすむので。
0929 本当にあった怖い名無し 2022/11/24(木) 00:07:14.80ID:40QkwTYN0
運転席の背を倒し、積んでおいた毛布を被って寝る準備をする。
二列目まで使えばかなり快適だった。
ドアの鍵を閉め、中が見えないよう目張りをしてから目を閉じる。
眠りきれず目を閉じたまま何分がすぎたのかわからないが、風が出てきたのだろうか？
車の周りで音がする。
空缶であろう、カラカラと金属音がする。
車の左右に渡って空缶が転がるような音だった。その時は「風で缶が車の下を左右に転がっているのだろう」と納得していた。
無理やり寝ようとして、小一時たった頃、不意にトイレに行きたくなった。
車から出ると、気付かぬうちに空缶の音は止んでいた。多分風で何処かに行ったのだろう。
トイレからの帰り、自販機でお茶を買った。
昔から飲んでるせいかお茶を飲んでも眠れないという事はなかった。
0930 本当にあった怖い名無し 2022/11/24(木) 00:08:20.17ID:40QkwTYN0
で、車に戻る。
そのついでに、念のためさっきの空き缶の確認もした。万一、また鳴られたら眠れないな、と思ったから。
携帯のライトで車の下を照らす。当然何もない。
「そういえば風も止んでるな、どっか行ったかな」と思いながら車に戻り、布団に入った。
目を閉じて眠ろうとした時、
カラカラ…カラカラカラ…
また金属音が聞こえてきた。
車の近くで音が鳴り続ける。
「また缶かよ、うるさいなあ､､､。」
そう思いながら寝ようとする。
しかしよく考えると少しおかしいことに気づく。
先程トイレに行った時は風はなかった、急に強い風が出たのだろうか？
さらに、車の周囲にはゴミ、空き缶は無かった。
0931 本当にあった怖い名無し 2022/11/24(木) 00:10:59.95ID:40QkwTYN0
考えるうちにふと、気付く。
音は車の周りを半時計周りに回っている。
明らかに不自然だ。
車の周りだけを、もう数周回っている。
そこで嫌な事を思い出した。
自分の寝ている駐車場から、ほんの4、50m下流にトンネルが有る。
ダムの近くで、手堀りのトンネルを薄くコンクリートで塗ったようなボロいトンネル。
その時、瞬間的にわかった。
「このカラカラ音、空缶やない」
ツルハシか、スコップを引き摺る音に聞こえた。
それがグルグルと車を回っている。
とりあえず何かやばい。と思うが先かキーを捻り、
エンジンをかけてその場を離れた。
その後、入る川のすぐ近くで寝たが、
謎の音やら獣の声で結局眠れなかったのはここだけの話。
それ以来その辺りには昼間しか近寄っていない。