内線電話で私宛の来客が到着した旨を聞いてわずかに逡巡する。 受付のスタッフに、そのまま来客を会議室に連れてきてもらうよう頼んだ。 本来なら私が取材相手をロビーまで迎えにいくのが礼儀だが、たとえその数分間だとしても私1人で天道宗と接触するのは怖かった。 部屋の中を見渡す。 緊張の面持ちの面々と、いつもと変わらない気楽な顔をした神宮寺さんが私を見ている。 部屋の中には注連縄しめなわが張られ、和美さんの近くには小さな護摩木ごまぎが組まれている。 会議室内はいつでもお祓いを始められるよう片付けられ、人数分の椅子と ...