怪談・洒落怖

【新作洒落怖】京都のホテル

投稿日:2022年3月5日 更新日:

本文

551 :本当にあった怖い名無し:2011/03/10(木) 13:38:53.91 ID:Q6NTHKKoO

俺が中学二年生の時の話。
春休みだか夏休みだかに母と弟と俺の三人で京都旅行へ行った。そん時親父が京都に出張してたからそのついでにってのもあったけど、はじめての京都だったから凄く楽しみだった。一泊だったけどな。
で、まぁ一日中寺とか色々見て回って、夜になってやっとホテルに戻ってきたんだよ。外で飯食ってきたから、あとは風呂入ってまったりして寝るだけ。
疲れてたのもあって、母と弟は23時くらいには寝てしまった。でも俺はまだまだ元気。ぶっちゃけ寝たらつまんないと思った。
徹夜して新幹線で寝ればいいやと思ったんだろうな。今考えるとなんで徹夜しようとしたのかわからんが、まぁリアル中二だったし。んで、寝ないように音量は小さめにして、テレビで映画見てた。たしかマーズアタックの字幕版だった気がする。
ぼーっと見てて、当たり前だけど終わったら物凄く眠かった。
それでもまだ徹夜する気でいた俺は、持ってきたGBAでポケモンやることにしたんだ。でも延々とレベル上げなんかやってたら更に眠くなるわけで、結局睡魔には勝てず、寝ることにした。

552 :本当にあった怖い名無し:2011/03/10(木) 13:40:17.38 ID:Q6NTHKKoO

爆睡してたら、夢を見た。可愛くデフォルメされた猫やら犬やらのキャラクター三匹と俺が一緒に同じ部屋にいて遊んでいた。
しばらく積木とかしてたんだけど、そのうちキャラクターの一匹が別の遊びをしようと、四隅に一人ずつ座って、壁伝いに歩いて次の角にいた人の場所に…っていう雪山のコピペでお馴染みの、あれをやろうって言い出した。
でも部屋は明るいままだし、なによりコピペと同じく四人しかいないからループして遊ぶことは出来ない。
やろうやろうと楽しそうに騒いでいる三匹には悪いが、俺は「それ成功しないよ」と教えてやるべく近付こうとすると、突然背中を叩かれた。
振り向くと、正直よく覚えていないが、コナンの黒ずくめの男みたいな奴(顔は見えない)が立っていて、そいつは俺に封筒を渡してきた。お金とか入れる茶色くて細長いやつ。
とりあえず開けないといけない気がしたんで、開けて中身を引っ張り出した。出てきた紙には、曼陀羅っていうの?円の中に仏様が描かれてるのが沢山配置してある絵。それがでてきた。(ちなみにその日、別に俺は曼陀羅を見たりしていない)
その絵を引っ張り出したところで夢がフリーズ。本当にビデオの一時停止したみたいにピタッと止まった。

553 :本当にあった怖い名無し:2011/03/10(木) 13:41:58.83 ID:Q6NTHKKoO

そこで一気に目が覚めた。マジで「はっ!」って感じに。
そしたら耳はザワザワするし全身もシャワシャワして痒いような別に痒くないような…って、俺の場合だけかもしれないけど、よくある金縛りの感覚になっていた。勿論、体は動かない。
余談だけど、俺は霊感とかは全く無いことはない程度の人間で、家でもたまに金縛りにあうし、たまに霊見たりする。まぁその話は今は置いておきます。
話に戻るが、金縛り特有の気持ち悪さの中、いつもなら無視して寝ようと努力するんだが、なんとなーくその時はいつもより「強い」と思った。なんでかはわからん。
少し焦ってきた俺は、隣のベッドでいびきかいてる母に助けを求めようと、本当なら痛くなるような強さで首を必死に曲げて、「お母さん」と呼んだ、つもりだったんだが、声が出ない。全く出ない。
マジか…と、諦めようとすると、足元の方で、に誰かがベッドに力を加えたようなギシッて音と、それなりに凹んだような感触がした。
咄嗟に、自由になっていた首を動かし、足元を見る。そこには何と形容したらいいのか、ちょっとよくわからない奴が大の字で寝ていた俺の両足の間に立っていた。
あえて表現するなら、透明人間なんだけど、ノイズみたいなので縁取られてるから体の形はよくわかる人間じゃないやつ。

554 :本当にあった怖い名無し:2011/03/10(木) 13:43:03.68 ID:Q6NTHKKoO

そいつはベッドの下から這い出てきた、そんな気がした。で、そいつは体をマイケルジャクソンみたいに前に倒して、俺の顔をじっと見てきた。(顔の中身も当然透明だったから確信はないけど、たぶん見てた)
俺は「何だこいつ」とか「怖い」って思うよりも前に、足の間に立たれて顔ガン見されるって状況に腹が立ってか(なんでだろうな)、とにかくこいつを退散させようと思った。
さっき首を動かした以上に力を込めて、足を動かそうとしたわけだ。そしたら案外すぐに金縛りは解けて、力を込めたその勢いのまま、俺の足は安物のハサミを閉じようと思ったら行き過ぎてクロスした、みたいな感じに透明人間の足にヒットした。
相変わらず縁しか見えなかったけど、そいつは足を押さえて「アウチ!」みたいなポーズをとってから、消えた。その瞬間に全身の金縛りが解けたので、眠かった俺はそのまんま寝た。
次の日、夜更かしした俺がホテルのモーニングを食い損ねたのは言うまでもない。
そういえば友人にガチの寺生まれで本当に霊感持ちのYってやつがいるんだが、そいつもここ泊まったら俺より洒落にならないモノを見たって言ってた。もうここには泊まりたくない。

今月末に京都行く予定だから思い出して書いた。

出典http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1299080635/

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