第一作 首くくりの町

昭和の終わりの田舎町。 突如訪れた怪異に住人は慌てふためく。 神主の母親であるお婆さんが驚きの行動に出て、親子三代に及ぶ慰霊の物語が幕を開ける。

首くくりの町  第1話

かなり古い話をします。 私が子供の頃に体験した話です。 新聞沙汰にもなった事件なので身バレを防ぐために適切な量のフェイクを挟んであります。 私は九州のある町で生まれました。 大都市まで電車で1時間ほど ...

首くくりの町  第2話

回覧板を手にした母が私と兄に気をつけなさいと言ってきました。 「山犬が活発になってるみたいだから、あんた達も注意しなさいね。街中にも出てきてるって」 困るわねーもー、と牛のようないななき・・・・を残し ...

首くくりの町  第3話

盆踊り当日に警察で司法解剖した結果、山で亡くなっていた猟友会の人達の死因が判明しました。 死因は脳内出血による突然死。 首を吊ったことによる窒息死ではなかったらしいのです。 ということはつまり、全員が ...

首くくりの町  第4話

その日から学校はしばらく休校になりました。 男性教諭の死はもちろんのこと、不可解な放送の原因がわからない以上、生徒の安全を担保たんぽできないというのが、連絡網を通じて回ってきた学校側の説明でした。 も ...

首くくりの町  第5話

住職さんの提案は頻発する怪異とその恐怖に怯える住人への対応として、地域の各宗教の指導者が連名で声明を出し、安心を呼びかけるというものでした。 そして可能ならば合同で何かしらの集会も開きたいと考えている ...

首くくりの町  第6話

あの日、大法要に参加したお坊さん数人が行方不明になっていました。 最初に氏子さんがお堂を飛び出して行った時に、追いかけていったお坊さん達でした。 翌日になって住職さんが神主さんに電話をかけてきて、こち ...

首くくりの町  第7話

  私達は御神体ごしんたいに拝はいしてから集会所に移り、シズ婆さんの話を聞きました。 「宗比古、皆に出前を取ってやりな。皆も長くなるが聞いておくれ」 そう言ってシズ婆さんは話を始めました。 ...

首くくりの町  第8話

年が明けてからも怪異は続きました。 後ろをついてくる影。 恐ろしいうめき声。 しかし首吊りに関しては私の清祓きよはらい以降発生していませんでした。 私の清祓い、というよりシズ婆さんの祈祷が効いたのでし ...

首くくりの町  第9話

シズ婆さんの葬儀が執り行われ、町に再び怪異の影が落ちてきました。 三年前のように怪談話めいた現象が町のあちこちに起き始めたのです。 首吊り死体こそ出ませんでしたが、それも時間の問題のように感じられまし ...

首くくりの町  第10話

  女は夫と子供の目の前で犯されて殺されました。 恐怖と苦痛で絶叫したら喉を潰つぶされました。 口から溢れ出た血で息が詰まり、何度も血が混ざった嘔吐をするうちに、女を犯していた男は興きょうが ...

首くくりの町  第11話 最終話

それからは皐月も私も大変でした。 もちろん皐月の方が何百倍も苦しいのですが、私の方も寝るたびに皐月が怨霊に殺される様子を見るので全く体が休まらず、睡眠による疲労の回復などができないまま日々が過ぎていき ...

篠宮神社の御守り【首くくりの町・外伝】

篠宮神社の御守りといえば、ある筋ではちょっとしたレアアイテムとして知られている。 九州の田舎にある古い神社の御守りで、オカルト界隈でそれほど知名度があるわけではないのだが、知る人ぞ知る、というやつであ ...

事故物件【首くくりの町・外伝】

年の瀬も押し迫った12月のある日、姉からの指令を受けた俺は大手町にある賃貸マンションの一室のドアの前にいた。 不動産を手広く扱う姉の会社が管理する物件で、今は借主のいない空室である。 預かっていた鍵を ...

【ありがたすぎてシェア】「首くくりの町」に対する台湾の皆さんの反応

やこう「首くくりの町」に台湾の読者さんからたくさんのコメントをいただきました。 Unlinさんという台湾の方が翻訳して台湾の怪談サイトに掲載してくれています。 怖話(コワバナ)も同様ですが読者さんか ...

投稿日:2019年2月9日 更新日:

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