怪談・洒落怖

【新作洒落怖】沖縄の修学旅行

投稿日:2021年1月13日 更新日:

本文

377 :1/3:2008/03/31(月) 19:55:55 ID:INVFNrUO0

高校の修学旅行で沖縄に行った生徒の話です。
体験したのは黒澤くん(仮名)です。彼ら一行は学業の一環として『ヒメユリの塔』や『ガマ』に見学していました。
学業と言っても殆ど旅行みたいなものなので、多数の生徒は遊び半分で見学していました。
特にはしゃいでいたのは河野くん(仮名)と林くん(仮名)でした、『ヒメユリの塔』では
他の見学者であるおばあちゃんに 「不謹慎だよ、静かにしてね」 と注意されましたが、
彼らは全く反省してない様子でした。

次に一行は『ガマ』へ向かいます、相変わらずはしゃいでいる河野くんと林くんに
嫌悪感を抱いている人がいました、小倉くん(仮名)です、彼はよく色んな生徒にからかわれている
いじめられっこの立場にいました、ですがこの時は、まるで親の敵を見るような目で河野、林を睨んでいました。
彼は何時も無気力で厄介事は避けようとしていたので、明らかに気分を悪くしてる様な顔見た事ありません、
気になったので黒澤は 「どうしたの?気分悪そうだけど…」 と聞きました。

小倉は 「いや…あいつ等がさ…結構やばい事してるから…」 といいます
黒澤 「河野くんと林くんの事?確かに不謹慎だよね、さっきも起こられてたし」
小倉 「うん、黒澤くんもあいつ等から離れてた方がいいよ、巻き込まれるかもしれないから」
黒澤 「ん??あぁ、また怒られそうだからね、とばっちりは嫌だから離れてるよ」
小倉 「いや、怒られるだけならいいんだけどね…」
黒澤は含んだ言い方をする小倉に 「どういう事?何かあるの?」 と聞こうとしましたが、
先生の 「ハイつきましたー、これから洞窟になるので足元に気を付けて下さいねー、
あとくれぐれも騒がないこと!特にそこの二人!」 で遮られました。
そこの二人!と指された河野と林を見て、絶対また何かやりそうだなと言う表情のまま、先生の説明は続きます、
「ここ『ガマ』では、戦時中民間の隠れ家、または兵隊の駐屯所としても使われており~・・・人は地獄の様だと・・・」
先生は説明しながら洞窟内へ入っていきます。

378 :2/3:2008/03/31(月) 19:57:14 ID:INVFNrUO0

黒澤と小倉も先生に続いて入っていきます、そして大空洞に入ろうとした時でした。
小倉は 「ひっ!」 と小さく悲鳴を上げ立ち止まりました、そのあと 「ごめん黒澤くん、俺もう無理」
と言い残して殿を務めていた先生の元に行き、付き添われながら洞窟を出て行ってしまいました。
黒澤は 「やっぱり何かあるのか、後で聞いてみよう」 と思いながら、小倉がヤバイと言っていた二人を見ました。
相変わらずはしゃいでいます、 「骨出るんじゃね?」 とか言いながら地面を蹴っています、
先生は、もう気にしないで 「はい、では明かりを消しますよ~本当に真っ暗になるんで気をつけてね~」
と言い明かりを消しました。

明かりが全くない、夜に目を瞑ってた方が明るいのではないか、と言えるほどの暗さでした、
黒澤が 「本当に真っ暗だな」 などと思っていた時です

突然 「うわあぁぁぁぁ!!」 と言う叫び声が上がりました、声の主は河野と林でした
先生が 「林!河野!いい加減にしろ!」 と言っています、
しかし河野と林は 「ああっあぁぁ!」 「いやだぁっぁぁ」 と叫びながら走り回っている様でした
先生も流石に変と思ったのか明かりを付けました、河野と林がいません

…いや、立ち入り禁止のロープの奥にいました、二人は、
「いやだぁぁぁ!やめてくれぇぇぇ!」 「それは俺のだぁぁ!とらないでぇぇ!」
「やめろ!やめろぉ!そんなのたべたくない!そんなのたべたくない!」
と泣き叫びながら地面を素手で堀返しています。
先生は 「なぁ!…なにやってんだ!」 と駆け寄り、抱きかかえようとしたが、二人は振り払い

「だめだぁぁ!あんたは何も知らない!!何も知らない!」
「いやだ…こんなこと…たべるのはだめだ…あぁぁぁ…」
と叫びながら一心不乱に地面を掘ります

「やめてくれぇぇ…人でなしぃぃ…」と言いながら
河野と林は先生二人と生徒三人がかりで取り押さえられ、洞窟から連れ出されました

379 :3/3:2008/03/31(月) 19:58:15 ID:INVFNrUO0

他の生徒も続いて出て行きます、外のベンチには俯いた小倉が座っていました
小倉は 「あいつ等おかしくなったんでしょ?自業自得だな…」 と言ってきました
黒澤は 「小倉くん、何か見えたんだよね、何が見えたの?」 と聞きました。

小倉 「頭だよ…人の…笑顔だったり怒ってたり、泣き顔だったり…青白い人の頭が…
俺達が入ったとたん、地面からニョキ~って生えてきて…ゆらゆらと動き出したんだ…」
黒澤 「頭!? 体は無かったの?」
小倉 「無い、首の長さが2mくらいで…首から下がない20人以上の頭が…ゆらゆらと揺れてた…」

「俺昔から良く見るんだよね、そう言うの。でも今までに見たのとは比べ物にならない、ここは恐ろしすぎる…」
小倉はそう付け加えました。

河野と林はその後まる一日病院で寝込み、『ガマ』に入った時の記憶が無くなっていました
黒澤は後で河野と林から、神社にお払いに行って3日間しごかれたと聞いたそうです

出典http://hobby10.2ch.net/test/read.cgi/occult/1206356541/

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yoshida3

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