怪談・洒落怖

【新作洒落怖】ビジネスホテルでの心霊現象

投稿日:2022年10月19日 更新日:

本文

335本当にあった怖い名無し2022/09/04(日) 13:25:19.91ID:lUwQ7+ms0>>336>>352

私が過去に実際に体験した話になります。

今から10年程前の出来事です。
その日、私は遠征のため一人で都内のビジネスホテルに宿泊していました。
シングルで予約していましたが、ベッドも大きく一人で過ごすには広々としていた記憶です。

その晩は0時過ぎに布団に入りました。私は寝つきが悪く、しばらくの間モゾモゾと寝心地の良いポジションを探していたのですが、とある瞬間私の身体は凍りつきました。

『バンバンバンバンバンバン!!!!』

壁を掌で叩く音がしたのです。
最初は隣の部屋の宿泊客が酔っ払って暴れているのかと思いましたが、耳を澄ますとその音は部屋の内側から聞こえてくるように感じました。壁から伝わる空気の振動と言えば良いのでしょうか。それが内側から感じられました。
私はこれまで心霊体験をした事はありませんでしたが、父はよくその手の実体験を話していたため、もしかして私も…? でも今更…? こういうのってもっと多感な時期に体験するものでは…? いやまだ心霊現象と決まったわけでは…? と、思考が繰り広げられる間も壁を叩く音は鳴り続けていました。

次に私の思考を止めたのは、新たな音。

『あぁ〜……あぁ〜……あぁあ〜……ッ!』

初老の男性のような呻き声が聞こえてきたのです。絞り出すような、乾いた声。とても苦しそうです。天井から聞こえてくるように感じたのを覚えています。流石に怖くなり頭まですっぽり布団をかぶりました。

336本当にあった怖い名無し2022/09/04(日) 13:29:35.61ID:lUwQ7+ms0>>337
>>335

内側から壁を叩く音、上方から男性の呻き声。この時点でもまだ心霊現象と決めつけたくなく、頭がおかしくなったのか? 悪い夢かも? などと思考を繰り広げていましたが、3つ目の音が、加わりました。

『ウ〜〜〜ウ………ウ〜〜〜ウ………』

警報音です。
心霊現象!? と怯えていた思考は瞬時に消え去り、ホテル内で発生したと思われる火災か何かへの恐怖へと変わりました。
ベッドを飛び出した私は部屋のドアを開け……る前に、のぞき穴から廊下の様子を伺おうとしました。同じように他の宿泊客たちが部屋から出てきているかもと思ったからです。
ですが、私の期待とは正反対の、それも想定外の光景が広がっていました。

白く発光した人影が、薄暗い廊下に鮨詰めになっていたのです。

見えるはずのない光景に慄いた私は気づいたらベッドへUターンし、息を殺しながら涙をぼろぼろ零していました。
母の声が聞きたいとスマホを握りしめましたが、時間は深夜3時。ついさっきまで1時だったはずなのにこんなに時間が経っていたのかとパニック状態でした。流石にこんなに遅い時間に娘が号泣しながら電話をかけてきたら、心配をかけ過ぎるかもしれない……と通話のボタンを押すことはできませんでした。
今すぐにでもこの部屋から、ホテルから退散したかったですが、抜け出した後の行き先も無かったため『朝一でチェックアウトしよう』と、そのまま布団にくるまって朝が来るのを待っていました。

朝の6時。
気絶か睡眠か区別はつきませんでしたが、数時間意識を手放せていたようです。鳴り響いていた三つの音は止み、静寂が広がっていました。
握りしめていたままのスマホから直ぐさま母に電話をかけましたが、それでも早朝でしたし、何より電話をしながら私はまた泣き出してしまったので結局は母を驚かせてしまいました。

337本当にあった怖い名無し2022/09/04(日) 13:31:30.21ID:lUwQ7+ms0>>338>>347
>>336

こんなに朝早くチェックアウトをするのは初めてでしたが、早朝でもフロントにはホテルスタッフが立っており感動したのを覚えています。ですがその感動も、スタッフの言葉で砕け散ることになります。
チェックアウトの作業を済ませながら私は耐えきれずスタッフに話しかけました。

私『昨晩、騒音で苦情は届いてませんでしたか?』
スタッフ『騒音についての苦情は届いておりませんが……お客様が物音を立てていらしたという事でしょうか?』

あれほどの音と警報音、実際に鳴り響いていたのなら誰か一人は絶対に苦情を寄せているはずだという最後の願いは粉々になりました。私だけが聞いた音だったんだ、やはり何か視えてしまったんだと、いっきに喉が渇いた感覚になりました。
思えばのぞき穴から見えた光景もおかしな点が多かったです。ホテルの廊下は24時間明るいものですが、その時見えた光景では薄暗く不自然でした。人影が白く発光していたのも奇妙でした。その白い人影の大きさは均等ではなく背丈など個性があったと思います。音は……聞こえてしまったとして、あの鮨詰めの白い人影は何だったのかと考えましたが、霊体験がなかった私に見当がつくわけもなく。
昔読んだ漫画にあった、同じ場所に違う時空がいくつも存在感していて、別の時空とのチャンネルが合わさってしまった時に人はそれを霊と呼ぶのかもしれない……という内容を思い出しました。それぞれの時空でお互いが霊的な存在として現れてしまう、といったものです。
後日父に話したところ、おそらくその手の現象だろうと言われました。

338本当にあった怖い名無し2022/09/04(日) 13:32:32.49ID:lUwQ7+ms0
>>337

私の霊体験はこのホテルでの出来事と、同じ年にもう一件別のホテルで体験した出来事(部屋のドアが開かず何となくノックをしてみたらノックが返ってきて、フロントで部屋が間違ってないか聞いたら手違いはなく、スタッフが鍵をさしたらドアは開き、念のため部屋の中も確認してもらうも以上なし。『ひとまずこのままご宿泊頂く形で、何か起きた場合はまたフロントまでご連絡下さい』と対応されました。もちろん朝一でチェックアウトしました)
の2件のみです。それ以来一度も視えたり聞こえたりはありません。

出典https://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1660842356/

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