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170 :本当にあった怖い名無し:2016/07/20(水) 14:47:59.98 ID:yAxcQm0B0
テレビ局でバイトしていた頃の話です。
少しフェイク入れていきますが特定しないでいただけると嬉しいです。
大学生だった私は水曜日が全休だったので大体水曜日にシフトが入っていました。
コネでつかんだバイトなので仕事は超楽。で、時給はすごくいい。社食は美味しいし普通に見たら最高のバイトでした。
ただ、それだけ待遇がいいからやっぱり普通じゃないこともありました。
話が少しそれますが、私は小さい頃から霊感というものは全くなく、お化けなんて見たことは一度もありません。
なのにもかかわらずものすごくビビリで、見えないおばけがいるような気がして1人で寝るのが苦手でした。というか今でも苦手です。
布団に横になっていると色々と想像してしまって、頭の中ではベッドの横に怖い女の人が立っているような気がして、そのあとは必ず頭がくゎんくゎんと揺れてサリサリサリサリという音が聞こえてくるんです。
最終的には怖くて眠れないというよりこのサリサリサリサリがうるさくて眠れなくなります。
一時はこれが霊感?なんて思ってたけど、でも幽霊が見えたり幽霊そのものの声とかが聞こえたりするわけではないのでただ脳が緊張しているんだと思います笑
長くなりましたが、とりあえず私には特別な能力とか霊感はないという事を言いたいです。
171 :本当にあった怖い名無し:2016/07/20(水) 14:49:05.73 ID:yAxcQm0B0
本題に戻りましょう。
テレビ局の建物は結構複雑な作りになっています。これはあとから増設したからとか浸入されにくくするためとか諸説あるようですが私たちバイトが勝手に言っているだけなので実のところはわかりません。
でもとにかく入り組んでいて私もバイトとして入りたての頃はいつも迷っていました。
私が働いているオフィスがあるのは8階で、5階に飲み物や軽食が売っている自販機コーナーがあります。椅子とテーブルもあるので職員さんがよく休みに来たりします。
私は職員さんのお遣いでいつもコーヒーを買いに行きますが自販機までいくためには6階に下がって連絡通路を通ってから8階に戻ってまた連絡通路を通って5階に下がらなければいけませんでした。
正直ここまで遠いならもう1つ自販機コーナーとかあるんじゃないかと思ったんですが、先輩から仕事を教わる時に必ずここに来るようにと教わったので嫌々ながらもここまで来てました。
172 :本当にあった怖い名無し:2016/07/20(水) 14:50:12.46 ID:yAxcQm0B0
バイト中は1時間の休憩がもらえるのですが、私はご飯を食べるのが遅いのでゆっくりご飯を食べているとすぐ休みが終わってしまいます。
しかしその日はなぜかお腹が減らなくて、ダイエットも意識して無理に食べる必要はないからと思い館内を探検することにしました。
オフィスを出てウロウロしながら1階ずつ降りていこうかと思っていたのですが、7階のいつも閉まっている扉が開いていることに気がつきました。そこは6階の連絡通路があるあたりの扉で、近づいてみるとそこも連絡通路であるようでした。
今日はたまたま職員さんが使うために空けているんだなと思うとともに、10分程度中に入るなら特に問題ないだろうと思い入ることにしました。
立ち入り禁止ならその看板が必ずあるはずだし、見つかったとしても迷ってしまったと言えばいい。基本的どの扉も職員証がなければ開けれないので入れることは滅多にない。大丈夫。そう思って歩いて行きました。
174 :本当にあった怖い名無し:2016/07/20(水) 14:51:19.72 ID:yAxcQm0B0
連絡通路は普通の通路でした。窓からは外が見えるし、6階と同じでした。
通路を抜けて中に入ると私がいつもいる8階とほぼ同じ感じでした。
廊下の左右に大きなオフィスがあり、ロッカーやトイレの配置も同じでした。
ひとつ違うのは8階ではコピー用紙や文房具などを置いている物置部屋のスペースが自販機コーナーになっていたことです。
私はこんなに近くにあるならここでいいじゃん!なんであんな遠くまで行かなきゃいけないんだよ!と思いながらも中に入ってみました。
中には1人だけ男の人がいました。多分職員さんだと思います。
その人は机に突っ伏して寝ているようでした。
私はあとでどうせコーヒーを買いに行くことになるから今買っておこうと思い自販機に向かいました。が、とてつもなく古い。古いというか何年も手入れされていないかのような感じ。電源は落ちているし本体も錆びていて、缶の見本?の所も埃が詰まっていました。
なんかおかしいなと思い見回してみるとどの自販機もそんな感じで、部屋全体が何年間も放置されているようでした。
男の人は動く気配がなく、この階が使われていないのを知っていてサボりに来ているのだろうと思い、私は静かに出ることにしました。
175 :本当にあった怖い名無し:2016/07/20(水) 14:52:56.49 ID:yAxcQm0B0
自販機コーナーから一歩踏み出そうとしたその時、くゎんくゎんと頭が揺れサリサリサリサリという音が聞こえてきたのです。
金縛りにあったかのように身体が重く、倒れてしまいそうでしたが埃まみれの床に座り込むのが嫌でなんとか近くの椅子に座り込みました。
頭が重くて腕を枕に机に突っ伏しました。男の人と全く同じ状態です。
何かおかしいという思いが絶対におかしい早くここから逃げたい!!に変わりましたが体は重く頭が上がりません。
そこにズズズっと椅子を引く音が聞こえました。目線だけを動かすとあの男の人が自分の横に立っていたのです。白いシャツの所々が焦げ茶色に変色しており、ベルトのバックルは私を向いているのに足が反対の方向を向いています。
最初は顔が見えませんでしたが、男の人が私を覗き込むようにしゃがんだので見えてしまいました。ぐちゃぐちゃの顔。汚い。気持ち悪い。
片目は黄色くなっていて黒目がないように見え、片方はありませんでした。上唇が裂けていて歯が突き出ていました。
前髪はまばらでいろんな所からクリーム色というか黄色がかった物体が溢れていました。
そして遅れてひどい臭いが私を襲いました。
ゴミとかの匂いじゃない、もっと塩辛みたいなしょっぱさのある匂い。
吐きそうになりながらも腹筋に力が入らないから吐くことができず、私はこの気持ち悪さで死ぬのかななんて思っていました。
何もできずにただ見ているとくゎんくゎんという感覚とサリサリサリサリという音がだんだん強くなってきて、ピークに達するとともに私は気を失っていました。