本文
787 :1/3:2007/01/18(木) 23:03:20 ID:jI90xO0n0
子供のころ
近所にちょっと変わった女性がいた
1日中縁側に座りながら何かぶつぶつと
独り言を言っているのだ
学校の通り道にその人の家があったため
学校の行きと帰り、必ずその人を見かけた
あの日も、いつも通り学校の帰り道に
その人の家の前を通った
いつもなら通りすぎる所なのだが
その日に限って、その人の独り言が気になってしょうがなかった
誰かと会話しているような
そんな風に聞こえたのだ
788 :2/3:2007/01/18(木) 23:04:15 ID:jI90xO0n0
塀の上に手をかけ
少し頭を出して、縁側のほうを覗いてみた
やはり女性1人しかいなかった
気のせいかと思い、帰ろうと思ったその時
その女性が喋りだした
「もう暗くなってきたから、中に入りましょうか」
自分に言っているのかと思い、ドキッとしたが
向こうがこちらに気づいている様子は無い
俺はもう少し様子を見てみることにした
「こんなに汗かいて、お風呂に入らなくてはね。
待っててね、今お風呂の準備してくるから」
何もない、誰もいないはずの空間に向かって話かける女性
手に持ったタオルで目の前にある何かを拭き
家の奥の方へと消えていった
たぶんお風呂の準備に行ったのだろう
789 :3/3:2007/01/18(木) 23:06:20 ID:jI90xO0n0
何かの病気なんだな、小さいながらもそう思った俺は
これ以上覗き見してるのはよくないと思い
その場を立ち去ろうとした、その時家の奥のほうから
女性の声がした
「お風呂の用意ができたわよ、いらっしゃい。
あぁ、ちゃんと窓は閉めてくるのよ」
その声がした数秒後、縁側の窓が閉まった