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0799本当にあった怖い名無し垢版2022/05/09(月) 01:08:53.59ID:xxbCcS2a0
短めの話。
俺の母方の祖母の家のすぐ近くに川があって、その川の名前があんざつ川って言う俗称がつけられてた。
小さい頃から祖母だけでなく時々会う親戚からもあんざつ川には入るな入るなと口を酸っぱくして警告されていたんだが、ある日なんの気無しにその川に入ってしまったんだ。
入ってしまったって言っても、本当に軽く足を川に浸しただけ。
それだけで足に激痛が走ってすぐさま川から足を引っこ抜いた。
そこで数時間も泣いてたもんだから流石に家に戻らないことを心配した祖母が泣いている俺を見つけて、『ああありゃあんざつ川に足を入れたんだろうなぁ』と察せられたみたいで、すぐに祖母の家の裏から紫と白が混じった石を持ってきた。
その石を一旦台所に持って行って(と言っても川の付近でまだ泣いていたから分からないが)包丁で石を少し削る。そうして紫と白の混じった綺麗な粉末が出てきた。
それを俺に振りかけて、『あんざつけりゃむきうぐす、あんざつけりゃむきうぐす、あんざつけりゃむきうぐす』って唱えていた。
すると、みるみると足の痛みは引いていき、寧ろそれからというもの学校一の快足となった。
あの時の祖母は、別段焦っていた様相はまるでなかったが、以降父兄親戚らの態度が少しよそやそしくなった気がした。
祖母の実家には一ヶ月に一度の高頻度で行くけれどもあんざつ川に入ったことはあれ以降一度もないし、自分の息子も入っていないけど……。
あんざつ川は一体何だったのか? あの紫と白の石(今も祖母の裏庭で見る)は一体何なのかという疑問はこれからも、終身払拭されないのであろうなと思った。
祖母はまだまだ元気で癌だの痴呆だのはもっての他だけど、何故かあの時のことの詳細を聞くのは駄目だって、憚られてしまうんだ。
長文駄文で申し訳ないが、このことをどうしても誰かに打ち明かしたくて投稿させてもらいました。