怪談・洒落怖

【新作洒落怖】あんざつ川【短編】

投稿日:2024年4月19日 更新日:

本文

0799本当にあった怖い名無し垢版2022/05/09(月) 01:08:53.59ID:xxbCcS2a0

短めの話。
俺の母方の祖母の家のすぐ近くに川があって、その川の名前があんざつ川って言う俗称がつけられてた。
小さい頃から祖母だけでなく時々会う親戚からもあんざつ川には入るな入るなと口を酸っぱくして警告されていたんだが、ある日なんの気無しにその川に入ってしまったんだ。
入ってしまったって言っても、本当に軽く足を川に浸しただけ。
それだけで足に激痛が走ってすぐさま川から足を引っこ抜いた。
そこで数時間も泣いてたもんだから流石に家に戻らないことを心配した祖母が泣いている俺を見つけて、『ああありゃあんざつ川に足を入れたんだろうなぁ』と察せられたみたいで、すぐに祖母の家の裏から紫と白が混じった石を持ってきた。
その石を一旦台所に持って行って(と言っても川の付近でまだ泣いていたから分からないが)包丁で石を少し削る。そうして紫と白の混じった綺麗な粉末が出てきた。
それを俺に振りかけて、『あんざつけりゃむきうぐす、あんざつけりゃむきうぐす、あんざつけりゃむきうぐす』って唱えていた。
すると、みるみると足の痛みは引いていき、寧ろそれからというもの学校一の快足となった。
あの時の祖母は、別段焦っていた様相はまるでなかったが、以降父兄親戚らの態度が少しよそやそしくなった気がした。
祖母の実家には一ヶ月に一度の高頻度で行くけれどもあんざつ川に入ったことはあれ以降一度もないし、自分の息子も入っていないけど……。
あんざつ川は一体何だったのか? あの紫と白の石(今も祖母の裏庭で見る)は一体何なのかという疑問はこれからも、終身払拭されないのであろうなと思った。
祖母はまだまだ元気で癌だの痴呆だのはもっての他だけど、何故かあの時のことの詳細を聞くのは駄目だって、憚られてしまうんだ。

長文駄文で申し訳ないが、このことをどうしても誰かに打ち明かしたくて投稿させてもらいました。

出典https://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1649945810/

  • この記事を書いた人

yoshida3

RECOMMEND

1

概要 2ちゃんねる・5ちゃんねる発祥の名作怪談「リョウメンスクナ」をアーカイブ&考察。 くねくね・八尺様・コトリバコなどと並んで洒落怖をジャンルとして確立した名作だと思います。 両面宿儺(りょうめんす ...

2

カルト 先日の【映画評】来る ※気持ち悪い人間関係+超絶エンタメに続き日本の除霊エンターテイメント作品をレビュー。低予算ながらしっかり除霊エンタメしてるので、オカルト好きなら必見の作品ですぞ。※知らな ...

3

オー・マイ・ゼット! 2016年制作。 東京03の角田晃広さん主演。 なんだかなあという序盤。 登場人物達の人となりや背景が描写されるも全員うさんくさいしどうでもいい感じで進行します。 後半15分ぐら ...

4

私とあの人は、世に言うところの幼馴染ってやつでした。 とは言っても、幼稚園から一緒で小学校中学校と同じクラスで……なんていう甘酸っぱいもんじゃなくて、病院でね。 私もあの人も、生まれた時から体が弱くて ...

-怪談・洒落怖

Copyright© 怪談夜行列車 , 2024 All Rights Reserved.