やこうの記事
第一部 四話 恐怖の拡散
右京「じゃあ続きいきます?」 ジロー「お願いします」 そうしてまたすごい勢いで右京さんが写真を鑑定していく。 右京「これは抜け殻、これも抜け殻、こっちは本物、これはそもそも偽物、これは抜け殻、これは本物……ていうかなんだこれ……」 不意に右京さんが手を止めた。 霊能者さんの前に写真を並べようとした手を引っ込めて、まじまじと写真を見つめる。 小林「右京さん?」 右京さんは写真をゆっくりとジローさんに手渡した。 霊能者さんは目の前に並べられた写真から目を逸らさない。 小林「えっ?…これ?……なんですかこれ…… ...
第一部 三話 心霊写真鑑定ライブ配信
画面には白い部屋が映し出されている。 会議室のような白い壁の部屋に大きな机が置かれて、その向こうからこちらを向く形でジローさんを含めて4人の人物が座っている。 左から小林アナ、ジローさん、右側にいる長髪サングラスの男性が右京さんだろうか。 そしてその隣の黒髪の女性が霊能者の人だろう。 普段のラジオでは顔が見えないので、こんな風にジローさんを見るのは新鮮だ。 画面の中のジローさんが画面の外に向かって話しかけている。 音声は聞こえない。 まだ準備中のようだ。 程なくして音声が聞こえてきて、OK?OK?というや ...
第一部 二話 悪ノリ
ラジオがCMに変わり、地元の中古車販売店の広告が流れてくる。 「…………」 ジローさん、自由だな。 ジローさんはたまに思いつきで番組内容を変更して小林アナを困らせることがある。 ラジオを聴いている側としては楽しくていいのだが、小林アナの苦労人ぶりが伺えて少し可哀想に思う。 過去に何度か、ジローさんのあまりにも無茶な提案に小林アナが本気で怒っている放送回があって、明らかにテンションの低くなった小林アナを尻目にジローさんがマイペースに放送を続けるという、聞いているこちらがドキドキしてしまうことがあった。 そう ...
第一部 一話 深夜ラジオ
窓を叩く雨音が強くなってきた気がする。 時刻は深夜1時に近づこうとしている。 夕方からポツポツと降り出した雨は、今ではサーサーという雨音が室内まで聞こえるほどになり、さらに先程から風も強くなってきたようで、時折バタバタッと窓に雨が打ちつけてくる。 四月に入ったというのに最近やけに冷えることが多い。 寒の戻りというのだろうか。 「…………」 モニターに目を戻し、BGMとして再生していたYouTube動画を停止して、ラジオアプリを起動する。 お気に入り登録の一番上にあるラジオ番組のタイトルをクリックする。 深 ...
【洒落怖殿堂入り】裏S区・異聞【考察】
概要 737本当にあった怖い名無し2018/08/22(水) 22:18:27.54ID:GFD/dKU50>>738>>739 結構みんなが食いつくおもしろい話を飲み屋で聞いたので投稿したいと思う。 書き溜めてあるから連投になるが、ちょっと長いけどいい? という書き込みで始まった投稿。 これははたして裏S区のことなのだろうか。。。? 名作洒落怖【裏S区・異聞】本文 739本当にあった怖い名無し2018/08/22(水) 22:25:39.61ID:GFD/dKU50 >&g ...
【洒落怖殿堂入り】裏S区・後編【考察】
概要 コチラのお話の続き。 投稿主が友人から聞いた裏S区での体験談を語っています。 怪異そのものよりも、裏S区の大人達の異様さにじんわりと恐怖が滲んできます。 名作洒落怖【裏S区・後編】本文 836 :763 ◆MOBqqkAfh6 :2007/03/15(木) 05:34:27 ID:nyVgvoIt0 アクマで聞いた話の為本当かどうかは不明。(俺の体験だと本当と言い切れるが人の体験なので) 自分の体験をS区出身の友人に話したところ彼が(仮にKとする)俺に酷似するような体験があると言い出したので聞いた話 ...
【洒落怖殿堂入り】裏S区【考察】
概要 九州のある地域に伝わる風習・民間信仰・呪術・霊への対処などなど。。。 完成された世界観と実体験だからこその意味不明な恐怖の数々。 映像化絶対不可能なリアルな心霊体験をお楽しみください。 名作洒落怖【裏S区】本文 763 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2007/03/14(水) 04:54:54 ID:Xss+iCNa0 [1/24] 長文です。 九州のある地域の話。 仮だがS区という地域の山を越えた地域の裏S区って呼ばれてる地域の話。 現在では裏とは言わずに「新S区」って呼ばれて ...
事故物件【首くくりの町・外伝】
年の瀬も押し迫った12月のある日、姉からの指令を受けた俺は大手町にある賃貸マンションの一室のドアの前にいた。 不動産を手広く扱う姉の会社が管理する物件で、今は借主のいない空室である。 預かっていた鍵を使って玄関を開ける。 まだ14時だというのに早くも日は傾き始め、雑居ビルに囲まれた部屋の中は薄暗かった。 玄関から中を見通すも部屋の中に差し込む光はなく昼間という感じがしない。 「ふむ」 溜息ともいえる頷きをひとつ。 俺は意を決して靴を脱いで部屋の中に入った。 いるのだろうか。 この部屋に。 首を吊って死んで ...
篠宮神社の御守り【首くくりの町・外伝】
篠宮神社の御守りといえば、ある筋ではちょっとしたレアアイテムとして知られている。 九州の田舎にある古い神社の御守りで、オカルト界隈でそれほど知名度があるわけではないのだが、知る人ぞ知る、というやつである。 一般に出回っているのは社務所で販売している800円のやつで、効果に関してもご利益があったりなかったり、ごく一般的な普通のものである。 ある筋で貴重品として重宝されているのは神主である篠宮慶宗が一つ一つ丁寧に作った逸品で、工場で織られたものよりも地味で味気ない装飾ながら効果のほどは折り紙つき ...
【洒落怖殿堂入り】パンデミック【脅威度Sランク】
概要 洒落怖史上もっとも脅威度が高いと思われる怪異のお話です。 長さも適度なのでまずはお読みください。 名作洒落怖【パンデミック】本文 127 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/04/28(火) 21:01:36 ID:y/qzGtBo0 [1/8回(PC)] 中学生の頃祖父から聞いた話(話自体は祖父の父=曽祖父から祖父が聞いた話) 俺の地元の山に神主もいない古びた神社があるんだが、そこに祀られている神様は所謂「祟り神」というやつで、昔から色々な言い伝えがあった。 大半は粗末に扱う ...
【洒落怖アーカイブ】テンジンキの話【おじゃま道草へのレスより】
757 名前: ◆jRr8h5HXvQ 投稿日:03/02/24 01:10 テンジンキの話 そもそも天神逆霊橋っていうのは神奈川の話ではない。 詳しい地名は失念してしまったが、東北の方のある村の話だった。 その村では悪さをする子どもに「天神様の橋を渡らせるよ」と言って嗜めるのだ。 天神様の橋というのは、その村からそう遠く離れていない山中にある吊り橋で、 その橋を渡ることは禁忌とされていた。 ただ、一年に一回だけその橋を渡る日があった。「逆霊祭り」の日である。 逆霊祭りとは、我々が良く知るお盆の様なもので ...
【洒落怖殿堂入り】おじゃま道草【名作】
概要 あまり有名ではない(?)が非常に魅力的なお話。 とても長いですが面白いのでぜひ読んでみてください。 名作洒落怖【おじゃま道草】本文 507 :おじゃま道草 <1> 1/2:02/05/26 13:58 7年前の6月、夜10時ごろ、自宅の電話がなりました。いつになく、どきっとする音だったのを覚えています。ミュージシャンの馬場君からでした。 -- どうもオカシイ、口では説明できない。夜分申し訳ないが、来てみてほしいとのこと。 馬場君はバンドの合宿所として、川越に近い、ある一軒家に引っ越したば ...
【業務連絡】怖話に連載中の「深夜ラジオ」の続きを公開しました
怖話に連載中の「深夜ラジオ」の続きを公開しました。 よろしければ是非! よろしくお願いいたします。 深夜ラジオ 第一話 http://kowabana.jp/stories/32060 第二話 http://kowabana.jp/stories/32061 第三話 http://kowabana.jp/stories/32062 第四話 http://kowabana.jp/stories/32063 第五話 http://kowabana.jp/stories/32065 第六話 NEW!! http ...
【業務連絡】エブリスタ・キャンペーン受賞しました!
小説投稿サイト「エブリスタ」に投稿していた処女作「首くくりの町」が、同サイトの「神様・悪魔・あやかしが出てくる小説」という執筆応援キャンペーンにて準大賞を受賞したとのこと! キャンペーンページ https://estar.jp/official_contests/158568 嬉しいことにキャンペーン受賞得点としてアドバイスまで頂きました! ========== 「首くくりの町」 (総評) 山犬狩りに山に入った猟友会メンバーが全員首を吊った。災厄は町全体を崩壊の危機にさらすほどエスカレートしていく。携帯電 ...
外国人労働者07
部屋の真ん中に立って小刻みに頭を動かす女の霊。 部屋の中に渦巻いていた靄はすっかり消え失せている。 女の霊の「あ゛っあ゛っ」という不快な声が部屋に響いている。 老師がお札と鈴を手にゆっくりと歩み寄る。 女の霊は動かない。 ただ立ち尽くして頭を振っている。 「△△!□◯◯△◯」 老師が何事かを唱えながら、女の霊の胸のあたりにお札を貼り付ける。 空いた手で印を結んで、貼り付けたお札にさらに何かを書き付ける動作をする。 女の霊が頭をガクンとうなだれた。 動けないようにしたのだろうか。 ...