『怖い』を楽しむオカルト総合ブログ

怪談夜行列車

第六作 闇の鳴動

第二部 七話 ジサツオフ 4 エピローグ

ヨミは勧請院さんではなかった。 私は夜のニュースでそれを知った。 東京で3件、大阪で1件の集団飛び降り自殺を引き起こしたヨミが西新宿に現れた。 今度はビルの上ではなく人が行き交う路上に、ビルとビルの間からフラフラと現れたのだという。 初めは誰も気付いていなかった。 誰かがヨミだ!と叫んでも、ほとんどの通行人は怪訝な顔をするだけだったという。 しかし間近にいた人から悲鳴があがり始め、通行人の一人が車道に飛び出して車に跳ねられた。 それでパニックになった通行人は我先にとヨミの近くから逃げ出した。 そうこうして ...

第二部 六話 ジサツオフ 3

タツヤさんがやってきたのは集団自殺が起きた翌日だった。 ピンポンが鳴ったと思うと、返事を待たずにタツヤさんが部屋に入ってきた。 いつものようにお酒の入ったレジ袋をぶら下げている。 「おかえりなさい」 レジ袋を受け取ってお酒を冷蔵庫にしまう。 タツヤさんを出迎える時は「おかえり」と声をかけるのが習慣になっている。 別に同棲してる訳じゃないのだが、週の半分はこの部屋に泊まっていくので、いつのまにかそうなっていた。 作り置きしていたおつまみを小皿に盛り付けてテーブルに並べ、簡単に作れるものはチャチャっと作ってそ ...

第二部 五話 ジサツオフ 2

目が覚めたのは真っ白な部屋だった。 何が何やら分からずボーっとしていたら、ガチャっと音がして数人が部屋に入ってきた。 白衣を着た医師風の男2人と、女性の看護師さん。 どうやらここは病院のようだ。 医師が私の状態をチェックし、看護師さんが水を飲ませてくれる。 どうしようもなくダルくて頭痛も酷かったが、健康状態には異常がないと言われた。 喉がカラカラだったので水を立て続けに飲んでいたら、次は尿意に襲われた。 部屋に備え付けてあるトイレに行くにも、体が言うことを聞かない。 看護師さんに支えてもらいながらどうにか ...

第二部 四話 ジサツオフ 1

「苦しくない楽しい方法ありますよ。よかったら何人かでジサツオフしませんか?興味あればDMください」 そのリプライが来たのはついさっき。 いつもネガティブなツイートばかりを呟いているお気に入りアカウントのツイートを見ていたら、変なタグを見つけた。 何人かが♯ジサツオフというハッシュタグをリツイートしているらしい。 大元の呟きは30分ほど前だ。 「♯ジサツオフ開催します!参加希望者はタグ付けてリツイートしてください。すぐに消されると思うので短期決戦いきます(^^)v」 その呟きに「本当だったら興味ある」とリツ ...

第一部 三話 魔女

池袋、渋谷と続いた集団での飛び降りは結局その後、新宿でも発生した。 1日に3カ所で集団が飛び降りたという衝撃は、当日翌日のニュースを独占するだけでなく、事件から2週間経った今でも必ずと言っていいほどワイドショーの話題を独占し続けた。 一体なんのために、飛び降りた人達にはどのようなつながりがあるのか、自殺ではなく殺人の可能性は………。 憶測は尽きなかったがその中でも最も話題に上っているのは、謎の女についてだ。 あの日、池袋の映像で飛び降りを思いとどまってビルの屋上に消えたように見えた女性。 その女性は渋谷の ...

第一部 二話 霊能者インタビュー 嘉納康明 2

―――まずは嘉納さんのお仕事についてお聞かせください。職種でも肩書きでもなんでもいいので。 「ふむ。職種は霊能者でいいでしょうな。肩書きだと当研究所の所長です。あとはいくつかの企業や団体の相談役という名刺もあります」 ―――相談役ですか。 「ええ。多少は占いもできますから、企業や政治家の相談に乗ったり吉凶を占ったり、顧問弁護士みたいなもんです」 ―――なるほど。 「あとは過去に解決した案件で恩義に思ってくれて、相談役ということでお給料を出してくれる会社さんもありますな」 ―――それは心霊関係の? 「そうで ...

第一部 一話 霊能者インタビュー 嘉納康明 1

月刊OH!カルト創刊30周年記念企画である「歴史ミステリー徹底検証!幻のオーパーツ大特集!!」という編集長キモ入りの一大プロジェクトはじつに無残な結果となった。 カラー写真満載でこれでもかと世界各地のオーパーツを紹介したものの、読者から帰ってくる反響は「ふーん」程度のものしかなく、私をはじめとした編集部の面々も、ああやっぱりねという顔で結果をスルーすることにした。 苦虫どころかイナゴの佃煮が歯にはさまったような顔でオフィシャルサイトのアクセス数をチェックしていた同僚がため息をついてノートパソコンを閉じた。 ...

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