怪談・洒落怖

【新作洒落怖】新聞配達してた頃【短編】

投稿日:2020年6月19日 更新日:

本文

510 :新聞配達してた頃:04/01/05 09:37
朝の新聞配達はつらい。その日も眠かった。
私は社員ではなかったので住宅区域ではなく、高層と呼ばれる5階立ての
団地専門の配達を任されていました。
「だりぃ・・・」
毎朝出るつぶやき。だったらやめればいいのにやめれない、金のない自分を
呪いながらドアポストに新聞をブチ込んでいました。
「303・・304・・」どんどん憂鬱になってくる。
「403」 昨日の朝夕刊の新聞がドアポストからはみ出している。
「めんどくせぇ・・・」無理やりポストに突っ込むのもダルイ。
とりあえず確認。
新聞屋からもらった順路帳の「403」の欄に書きこまれた、大きなバツ印
が目に入った。なんだ引越したのか。
5階の「504」を入れ終えて、背中を丸めて煙草に火をつけ、
階段を降り始めました。
最初に見えたのは足でした。
4階から5階。時間にして10秒も経ってません。
完全に自分の世界に入っていた私は、ドキッっとしつつもまだ平静を保って
いました。
「・・・じゃないの・・」
このクソ寒い時間に、スカートにワンピース1枚着ただけの女の人が
「403」号室からはみ出していた新聞を引っこ抜こうとしています。
「これじゃないの・・・」
あぁ?引っ越してねぇじゃねぇか。
俺配達ミスったかなぁ。ぼんやり考えて
「あの・・ヨミ○リさんですか?」
異様なものを感じながらも、眠気からかぼんやり女の人を見ていました。
女の人が新聞を引っ張る度に、赤いのがビュービュー噴き出しています。
? なんで新聞が赤くなるんだ?
そう思った瞬間、女の人が振り向きました。振り向いたっていうか
目だけ後頭部にズレた感じだったところまでは覚えています。
そこで意識失いました。

出典http://hobby4.2ch.net/test/read.cgi/occult/1072132666/

 

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yoshida3

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