怪談・洒落怖

【新作洒落怖】かみ屋敷

投稿日:2022年5月18日 更新日:

本文

238 :本当にあった怖い名無し:2009/02/15(日) 11:41:08 ID:rrgBLLJJ0

自分はいわゆる理系で、しかもオカルトとは正反対の化学を研究しているのですが、昔から占いとかオカルトとか
そういったものが好きでした。でも、自分には霊感はないんだと思います。
だから今年の夏休みまでそういった体験とは一切無縁に生きてきました。今思えば幸せでした、その方が。

大学のゼミにAさんという同級生がいます。東北から来ている人で、物静かで上品な感じの人でした。
私はAさんと親しくなりました。親しくなって分かったのですが、Aさんは霊感の強い人でした。
アパートに遊びに行った時も、きっちりと片付けられた部屋の隅に大きなお札がドドーンと飾られていました。
(モノトーンで綺麗に統一された部屋の中で、それはかなり異様な光景でした)
そして不思議なことなのですが、よく分からないものを使ってする占いがとても良く当たる人でした。
しょっちゅう色々なものも見てたみたいで、せがむと色々と話をしてくれました。

若干奇行がある人だったんですけど(姿が見えないと思ったら外で木に抱きついてたり、蜘蛛に話しかけてたり)、
学科が学科なのでオタク系・電波系も多かったし、Aさんは優秀な人だったので、皆「ちょっと変わってるよね」と
いう程度の認識で、特に避けたりすることもなく普通に付き合ってました。

前振りが長くてスミマセン。次から本題です。

239 :本当にあった怖い名無し:2009/02/15(日) 11:41:49 ID:rrgBLLJJ0

去年の夏休み、私を含めて四人でAさんの母方の実家に遊びに行くことになりました。
そこはいわゆる山村で、最寄り駅からも車で山道を30分以上行かないと着かないような山奥でした。
(庭先に平気で熊が出るような土地だそうです)
今はAさんの祖父母が二人で暮らしてるのですが、近くに湯治場もあるし、Aさんも「おいで」と言ってくれたので
皆で遊びに行くことにしました。以下、B、Cとします。

その家は裏がすぐ山になっていて、そこにはAさんの話に出てくる祠や御神木がありました。
頂上に昇るまであまり時間がかからない低い山でしたが、最初に登った時夏なのに酷く空気が冷たく感じました。
Aさんは祠や御神木を見せてくれて、「この山を守ってくれてるんだよ」と言ってました。
何だかひぐ○しの世界だな!とBとCがはしゃいでたのを覚えてます。
その後下山したのですが、行きには気付かなかった細いわき道が途中にありました。
「何?」と聞くと、Aさんは「あの先に行ったことはないけど、絶対行っては行けないって言われてると言いました。

行ってはいけない、と言われると行きたくなるもんです。特にBとCはAさんのオカルト話を話半分に聞いている性質の
人間だったので(仲は良かったけど、オカルトは信じない派)、肝試ししよう!と言い出しました。
駄目だといつになく強い口調でAさんは止めたのでその場では皆帰ったのですが、翌日、下の村まで私とAさんが
買出しに行っている間に、事件は起こってしまったみたいです。

240 :本当にあった怖い名無し:2009/02/15(日) 11:42:28 ID:rrgBLLJJ0

家に戻ると、BとCが「別に面白くもなんともなかった」と話してたので何の話だ、と聞くと、昨日の道の先に言ったと
言いました。道の先には、大きな廃屋が一軒あっただけだったそうです。
その話を聞くと、Aさんが凄い形相で二人を殴りつけて「何てことをしたんだ!」とキレまくり。
普段声を荒げることがほとんどない人なので、私達3人はポカーン状態。

Aさんが祖父母にその話をしにいくと、ものすごい勢いで今度はお爺さんが来て、「かみ屋敷に行ったのか?」と。
「かみ屋敷」と言うのがその廃屋の名前みたいで、BとCは「すみません」と平謝りしてました。
するとお爺さんは「もう駄目かもしれない」と言い、Aに「そんでも一応やってやれ」てなことを言いました。

その家は結構大きな家だったんですけど、私達はまとめて奥の方にある座敷に通されました。
そこには立派な神棚のようなものがあったんですけど、ちょっと普通の神棚とは違ってて、棚の上には榊の枝なんかに
囲まれるようにして、本当に小さなお稲荷さんみたいなものがありました。
そこにAさんが来たのですが、何だか異様な格好で出てきました。
普通のTシャツにジーンズの上から白い着物みたいなのを羽織ってて、手には脇差みたいなのを持ってました。
その段階ですでにビビッてたのですが、Aさんは神棚の前にBとCを座らせて、二人に向かい合うようにして立ってから
何だかよく分からない祈祷みたいなのを始めました。
途中、お爺さんが塩をかけたり、お婆さんが泣いてたりで何だかその空気が怖くてすっかり私はビビッてました。

そしてそのうちAさんの声が大きくなってきて、最後に何か奇声をあげて脇差を抜くと、畳にブスッ!っとしました。
もう何か三人とも半泣きでしたが、そこでそれは終りみたいで、Aさんはすっかり元のAさんに戻りました。
でも何か空気が流石に重くなってしまって、次の日私達はAさんの祖父母にお礼を言って急遽東京に戻りました。

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