617 :蝉:2007/08/23(木) 20:30:01 ID:ZwTcleGu0
2日目は朝7時に駐車場に集合で朝ごはんはオニギリ弁当が用意されており、そこに座って食べて
クラスごとに昼の弁当とそれぞれ持参していた水筒にお茶を入れて阿蘇山へ。
ただ、その日は火口付近に霧が多いとかの理由で途中まで歩きグルッと周辺を廻って降りてきた。
途中でお昼を食べて点呼の際に5人人数が足りず、先生達で捜索をすることになり生徒はその場で待つ事に。
昨日起きた怖い話や、不謹慎にも行方不明の5人死んでたりしてねー、等と言ったりしている人もいた。
30分ぐらいたっても見つからず捜索隊(と言うほど大規模なものでは無かったけど)もでて
2時間後に霧の為来るべき道とは逆の方向を誤って進んでいた5人が発見されて全員が駐車場に戻ったときには
18時を過ぎていた。色々あった事と時間がかかり過ぎた事と両方に怒っていたのか学年主任の先生がいきなり
「今日は風呂は無し。時間も遅いしホテル側に迷惑かかる。シャワー浴びたい奴は浴びてもいいが風呂はなし。
それと飯はホテルで用意されているから今から直ぐに向かえ。食べ終わった者からシャワーを浴びて良いが20時までに
入れなかった者は今日は無し。8時からはキャンプファイヤーをして9時に就寝。はい、解散」
と一気に捲くし立て解散。女子の殆どは山をずっと歩き回って風呂にも入れずに寝るのは嫌だという思いから直ぐに
ホテルへ向かいご飯もそこそこにシャワーへ。
私も20時までにシャワーは間に合ったけども、男子のシャワールームはがら空き状態。多分昨日の出来事もあり
数人以外は使わなかったようです。
その後ありきたりのキャンプファイヤーをして(火の周りを囲んで歌ったり)就寝時間に。
618 :蝉:2007/08/23(木) 20:33:52 ID:ZwTcleGu0
キャンプファイヤーで結構テンションが上がってる人もいれば、その日の山登りでクタクタになってすぐに眠る人も。
私達はと言えばかなり元気が有り余ってる感じで5番と8番のテントの人達と仲の良い者同士で入れ替わり、キャンプ最後の
日を存分に楽しもうと思ってました。
それからずっと話込み、先生達もある程度の時間までは各テントから聞こえてくる声を許してくれていたんでしょう。
しかし、数時間後先生達が「おーい、早くねろー」と各テントを回りながら注意をし始めて段々とテントの中の声も
小声になっていき辺りもかなり静かになった。たまにトイレにでも行ってるのであろう数人がコソコソ言いながらテントの前を横切ったり
テントの中から外の電灯で見回りの先生の影が通りすぎるだけで辺りは静かに。
私達はそれから又話込み、どれだけ時間がたったかわからないけど、蝉の鳴き声だけが聞こえていた。疲れもあってか何人かは
欠伸をし始めてそろそろ寝ようかとなった。
その時に偶々友人の中の一人が「蝉の鳴き声ってここまで大きいものなんだねー」と囁き皆が耳を傾けた。
それが間違いでした。
「ミーンミーン・・ミーン・・ミーン・・ギーオギーオ・・ミーン・・ジー・・ミーン・・ケタ・・ミーンミーン・・ミーン」
619 :蝉:2007/08/23(木) 20:34:40 ID:ZwTcleGu0
初めは聞き間違いだと思ってたし、だけどその一言がかなり怖くてブルッってなった。
でも口に出して言うと恐怖にどっぷりと使ってしまいそうで何も言えない。。
もう聞きたく無いと思って耳を手で塞ぐけど蝉の鳴き声が聞こえる。
「ミーーンミーン・・ジーージーーー・・ミケタ・・・ジーーーン・・ギーーーオ」
お願いだから、聞き間違いだってのはわかってるから。考えないようにしよ。と心の中で自分に言い聞かせるけど蝉の声が聞こえる。
「ジーー・・ジーーー・・ギーーオォ・・・ギャハア・・ミケタ・・」
その時に笑い声が増えている事に気付いた。。もう聞き間違いじゃないと思って恐怖で夏の暑い時期にも関わらず毛布を頭から被った。
さらに横にいた友人が泣き始めた。。それに釣られて他の子も泣き始めて、「あー、私だけじゃなくて他の人にも聞こえてるんだ」と
震えながら思った。その時に先程蝉の鳴き声の事を口に出した友人が「ミケタて何?」と小声で囁いた。
その囁きさえ怖くてヒッっと小さな叫び声を上げて泣き始めてる人もいた。
全員が聞こえてると理解した時に皆少しづつ中心に集まってきて寄り添うようになり、いつの間にか横の人と手をつないでた。
蝉の鳴き声は一向にやまず寧ろ大きくなったような感じさえした。
「ジジジ・・ジ・・ミケタ・・ミケタ・・・ミーーンミンミーン」と蝉の声に混じり変な声が鮮明になってきた。
その時
621 :蝉:2007/08/23(木) 20:47:06 ID:4QPzRTqG0
小道にある電灯で照らされて人影がテントの中に映った。先生かな?って思ったけど人影の髪の毛がかなり長い、ように見える。
テントの中にまで影がはっきりと見えるわけじゃないんだけど、女の人が歩いてるようにしか見えない。しかも横歩きのような
後ろ歩きのような変な感じの歩き方のシルエットがテントの中に映るもんだから恐怖でカタカタ震えだしてしまいました。
カタカタ震えたりグスンと泣いたりしてるとテントの上から
ボトッ
と言う音が。「ジーー、ジー」と蝉が落ちてきた。。その瞬間に又テント内の人間全員がビクッ!ってなったけど、
それ以上にそとを歩いていた人影がこっちのテントを向きなおった感じがした事に意識が奪われた。。
その最中も蝉の鳴き声は聞こえ続けてるし変な声も混じってる。
でもその瞬間だけは違った。
「ミケタ」では無く「ミツケタ」
とはっきり、鮮明に、耳元で囁かれたかの様に聞こえた。「ハーハ、ウップ、ハー、ミツケター」
とゲップの様なものをしながら囁いてくる。皆、恐怖でガクガクになっててその時には気付かなかったけど(後で聞いた話では)
一番テントの入り口に近かった友人は失神してしまっていた。
622 :蝉:2007/08/23(木) 20:52:04 ID:4QPzRTqG0
その瞬間に隣の8番テントから「キャーーーーー」という叫び声が聞こえた。
何が起きたのかさっぱりわからなかったけど8番テントから次々と叫び声が聞こえ始めた。
すぐに先生が駆けつけてきて、「どうしたんか!?」という声がした。その瞬間に私達のテントも皆外に駆け出して
先生の所に向かった(今思えば、年上って言うことと先生って言うことで安心したんだと思う。だけど霊相手に先生も大人も関係ないんですよね・・・。)
他の5番テントと7番テントの人達も次々に出てきたものだから、先生もかなり戸惑っており、
「なんか!?何があったんか?おい!どうしたんかって?」と慌てた様子だった。直ぐに他の男の先生も来て泣いてる人たちを
慰めたり、事情を聞きだそうとしてた。その時に「チッ」って言う感じで舌打ちみたいなのがして先生を含めてその場にいたほとんどが
その音がした方を向いた。すぐその後に生徒である私達は泣き始めたり悲鳴を上げたりしだした。上の方のテントとは離れててそこまで泣き声は聞こえなかったみたいけど
近場のテントからは何かあったのかと数人出てきてたが先生が「関係ない奴は外にでるな!中に入っとけ。お前らもなんかあったんか?ないなら出るな」
と言うとテントに戻っていったために彼女達には何も聞こえなかったのだと思う。
とりあえず、殆どの人が泣きじゃくってるいる為他の先生に応援を呼びにいき、駐車場から近いホテルのフロント前のロビーに皆連れて行かれた。
落ち着くまでお茶を飲み、話せるぐらいまで回復した私と友人がまず何が起きたかを話始めました。
624 :蝉:2007/08/23(木) 20:52:55 ID:4QPzRTqG0
「女の人が外に居た」「見つけた、見つけたとか言いながら近寄ってきました」と言うとそれに続けとばかりに
他のテントの人も「私は殺すって言ってる様に聞こえた」とか「近寄るなって言ってました」とそれぞれ聞いてる事は異なる
が「変な女が外の小道に居た」と先生に告げた。先生の中の一人は他の生徒が心配になったのかフロントに行き
「警察をお願いします」と言い残し直ぐにテントへ戻っていった。
ただし、そのあとの8番テントの人たちが言った言葉が私達の恐怖体験を遥かに超えていました。
彼女達曰く「テントの上でいきなりバンッ!って音がしたんです。最初は凄い音だったし何だか分からなかったけど、
上を向いたら上に女の人が乗ってて。。テントにグーっと顔を埋めてきたんです。グーって。。」
そして「ギーーオギーーオ」と言う蝉の鳴き声と「ここかぁ」という声が聞こえたので叫んだとの事でした。
あまりに在りえない話だったけども、私達はそれを想像してしまい又泣き出す人も居れば恐怖でお茶をこぼす者、「先生~」と
先生に駆け寄るものも。それから私達はそのロビーで朝をまつことに。
その後警察が来て(来るまでに1時間ぐらいかかったかも・・・)事情を聞き捜査をしはじめました。
朝日が出る頃には眠気と疲れで寝ている人もいましたが、殆ど起きており放心状態でずっと宙を見ている感じで
それを見ているこっちも怖くなるくらいにシーンとしていました。
625 :蝉:2007/08/23(木) 20:54:26 ID:4QPzRTqG0
それから警察の捜査も虚しく特に女の人が見つかる事もなく、他の生徒も気付かずに寝ている様子で朝まで起きていた先生と私達だけが
かなり衰退しきった様子でうな垂れているだけ。教育指導の先生に
「いいか、他の生徒をむやみに怖がらせたりせんように、家に帰るまでは何にも言うな」と言われ朝7時に集合し、
その後阿蘇の牧場見学の予定のはずがキャンセルになり学校へ戻りすぐに帰宅となりました。
とりあえず、それ以降学校ではその話題で持ちきりになり、翌年以降からはふれあい合宿はなくなりました。
理由は警察の出動と不明者の捜索隊の出動が主です。
余談ですが、5人の行方不明者の言い訳を聞いた友人が言うには
「いや、俺らは霧がかなり濃かったけど、前の人影は見失ってなかったけ、それを追いかけよったんよ。
“女”の先生の後ろをついて行きよったら後ろからいきなり先生やら捜索隊の人らの声が聞こえたけん、
前の“女”の人に声かけたら、おらんくなってて・・・。」と言ってたそうです。真偽の程は定かじゃありませんが・・・。
以上が私の体験した怖い話です。