怪談・洒落怖

【新作洒落怖】忘れ物ノート

投稿日:2021年4月12日 更新日:

本文

645 :忘れ物ノート1:2011/07/10(日) 21:36:06.17 ID:NE8JzLwE0

友人に聞いた話。

友人が小学生の頃、クラスにいつも忘れ物をする男の子がいた。
見兼ねた先生は「忘れ物ノート」というものを作り、男の子が忘れ物をする度にそのノートに記録を書かせていた。

男の子は先生に殴り飛ばされ、先生はいつも言っていた。
「いいか、俺はお前が憎くて殴っているんじゃない。お前が少しでもちゃんとした人間になるように、お前のためを思って殴っているんだ」

しかし、男の子は忘れ物などしていなかった。
忘れたのではなく、ちゃんと前日に持ってきたのに無くなっているのだ。
ロッカーやランドセル、机の中を探しても無い。

ある日、男の子は近くの踏み切りで自殺をした。

バラバラになった男の子の遺体の中には何故か頭が無かった。
警察や処理班の人が周辺を探し回ったが、どこを探しても見つからない。

頭が発見されないまま男の子の自殺は近所に知れ渡り、数日後に先生の耳にも入った。
先生は呟いた。

「何も自殺までしなくても良いのに…」

646 :忘れ物ノート2:2011/07/10(日) 21:36:32.22 ID:NE8JzLwE0

男の子の物を隠していたのは、先生だった。
嫌な事や気に入らない事があると、その憂さ晴らしのために、忘れ物を理由に男の子を殴っていたのだ。

男の子から盗んだリコーダーやコンパスなどを片付けながら、次の標的は誰にしようか…と考えていると、ふと背後で人の気配がした。

「だ、誰だ…!?」

秘密を知られれば、憂さ晴らしが出来なくなる…。
先生は慌てて振り返り、そしてもう一度手元を見て驚愕した。

男の子の頭があったのだ。

頭を放り投げ、逃げ出そうと後ろを向いてまた叫び声をあげた。

先生の後ろには、首の無い男の子が「忘れ物ノート」を抱えて立っていた。

翌日、職員室で変死体となった先生とあの「忘れ物ノート」が発見された。
警察が忘れ物ノートを開くと、そこには震えた字でこう書かれていた。

忘れたもの:ぼくのあたま、せんせいのいのち。

出典http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1309176058/

  • この記事を書いた人

yoshida3

RECOMMEND

1

概要 2ちゃんねる・5ちゃんねる発祥の名作怪談「リョウメンスクナ」をアーカイブ&考察。 くねくね・八尺様・コトリバコなどと並んで洒落怖をジャンルとして確立した名作だと思います。 両面宿儺(りょうめんす ...

2

カルト 先日の【映画評】来る ※気持ち悪い人間関係+超絶エンタメに続き日本の除霊エンターテイメント作品をレビュー。低予算ながらしっかり除霊エンタメしてるので、オカルト好きなら必見の作品ですぞ。※知らな ...

3

オー・マイ・ゼット! 2016年制作。 東京03の角田晃広さん主演。 なんだかなあという序盤。 登場人物達の人となりや背景が描写されるも全員うさんくさいしどうでもいい感じで進行します。 後半15分ぐら ...

4

私とあの人は、世に言うところの幼馴染ってやつでした。 とは言っても、幼稚園から一緒で小学校中学校と同じクラスで……なんていう甘酸っぱいもんじゃなくて、病院でね。 私もあの人も、生まれた時から体が弱くて ...

-怪談・洒落怖

Copyright© 怪談夜行列車 , 2024 All Rights Reserved.