36 :本当にあった怖い名無し:2012/05/01(火) 08:46:20.90 ID:YSGKGk/pO
それからは「玉」の事もすっかり忘れ普通の生活に戻っていました
2週間程たって夜暇過ぎたので散歩がてらコンビニに行く途中Eと会いました
私 「おすっ今日は珍しく一人?また喧嘩したのか?」
E 「フゥー皆いつも一緒にいるとしか思ってないね、まあいいけどさ、そういや最近Kに会った?」
私 「いや、飲んだ日以来見てもないけど、どうかした?」
E 「ここ一週間程前から連絡取れないんだ、学校も来てないし、心配しててさ」
私 「そっか、病気してんのかもしれないし、今度3人でKん家に行ってみるか、Aに伝えといて」
そう言ってコンビニに向かった
コンビニで買い物を済ませ、帰る途中ふとあの「玉」を思い出した
あんな変な「玉」誰が何の為に作ったんだろ、親父にでも聞いてみるか、そう思い自宅に着いた私は親父に聞いてみた
私 「親父、山の麓の廃寺とか知ってる?」
親父「知ってるが、何かあったのか?」
私 「いや、最近友達が変な「玉」見つけてさ、良い事ばかり起きるって、少し変でさ」
親父「知らんなー、俺が小さい頃にはすでに廃寺だったし、気になるならAの祖父ちゃんにでも聞いてみろ、わかるかもな」
まあ次にAん家に行った時にでも聞いてみるか、そう思った時にAから電話があった
A 「本当にヤバイ、すぐに俺ん家来てくれバタバタな」
それだけを言いAは電話を切った
凄い剣幕でしたから本当にヤバイ何かあったと自転車に乗りすぐにAの家に向かいました
Aの家は結構近いので5分程で着き外で待機してたAとEに何があったか聞きました
37 :本当にあった怖い名無し:2012/05/01(火) 08:48:00.53 ID:YSGKGk/pO
私 「なんだよヤバイってまさか妊娠した何て事じゃねーよな?」
A 「ふざけてる場合じゃねーよ、Kが持ってた「玉」あれは絶対良い物じゃない」
意味がわからず聞いてた私にAは「説明は後でするから、とにかくKの家に急ぐぞ」と3人自転車でKの家へ向かった
道中ある程度の話は聞きました、やはりAもEからKの状態を聞き「玉」の事が気になり、祖父ちゃんなら知ってるかもと聞いてみたそうだ
A 「祖父ちゃん廃寺知ってるだろ、何か変な「玉」見つけたんだけど、何か知ってる?」
祖父「廃寺…山の麓のか!?何であんな所に行った!!?「玉」はどうした?今も持ってるのか!?」
いつも面白い祖父ちゃんからは考えられない真剣な表情だったそうです
A 「俺が持ってるんじゃないよ、友達が…」
言いかけた瞬間「すぐに持って来い」と言われ私に連絡したという事でした
あの祖父ちゃんがと私も同じ気持ちになり無言でひたすらKの家まで自転車を走らせました
Kの家に到着すると、同時に家から何かが割れる音と女性の叫び声が聞こえました
これは本当にヤバイんじゃないかと玄関へ急ぎチャイムを鳴らしたが返答は無く、鍵は開いていたので緊急という事で勝手に上がりKの部屋に向かった
38 :本当にあった怖い名無し:2012/05/01(火) 08:50:28.60 ID:YSGKGk/pO
ドアを開けた瞬間、心臓が止まるかと思った、Kの家族は全員Kの部屋にいた、その中心には髪を振り乱し、ブツブツ何か喋り、左手に刃物を持つKの姿がありました…
その姿に元のKの面影はありませんでした
余りの状況に3人共微動だに出来ず立ちすくんでた、そんな時にKの姉が
K姉「何してんのよ、あんた、本当にお願いだから、そんなの渡して」
そう言い近寄ろうとした瞬間、Kが凄い勢いで叫びながら刃物を振り回した
幸いK姉には当たらなかった物のそんな状況で迂闊に近付け無い、私達3人は言葉で訴えかけました
私 「何してんだよ、危ねーだろ、何があったんだよ!?」
E 「K、お願いだから、そんなの置いて話そ?」
私達3人はKを諭すように話しかけましたが、Kはまるで聞いてないみたいに俯きブツブツ独り言を言っていました
よく聞くとKは「私には何も無いどうしようも無い」とただ呟いているようだった
誰も身動きが取れず緊迫した状況でしたが遂にKが行動し始めました
Kはまるで男のような叫び声で自分の右腕を刺し始めたのです
39 :本当にあった怖い名無し:2012/05/01(火) 09:00:25.53 ID:YSGKGk/pO
皆唖然とし、場がまるで凍りついたように静まりかえりました
ですが次の瞬間にはEの悲鳴と共にKの家族全員でKを取り押さえにかかりました、でもKは家族など全く意にかえさず「こんなの意味ない、いらない」と何度も自分の右腕を刺し続けました
私は余りの状況の異様さ異常さに体が固まったように動けませんでした…
だが、そうしてる間もKは自分を刺し続け部屋を自分の血で染めていました
余りにも夥しい光景に現実感を持てない私は顔面蒼白になりながら只々立ちすくむだけでした、まともな思考も出来ず助けを求めるようにA達を見るとAもEもK家族と共にKを取り押さえていました
それに感化され「これは今現在、現実に起きてる」そう頭が認識し現実を取り戻しのか自然と私も取り押さえに加わりました
40 :本当にあった怖い名無し:2012/05/01(火) 09:04:15.14 ID:YSGKGk/pO
Kはこんな細い体のどこにこんな力があるのかと思わんばかりの凄い力で振りほどこうと暴れていました
皆必死にKを取り押さえ続け数分程経ち、やっと振りほどくのをやめたかと思えた瞬間囁くような声で「いらない、私何ていらない」と呟き自分の顔を数度深く切りつけ後に腹部を深く刺しました…
K姉は泣き叫びながらKの横で座り込み、K母は血だらけになりながら必死に腹部を抑え、K父は救急車を呼んでいた
Kの腕は皮だけで繋がってるかのようにぶら下がり、顔は確実に傷が残るだろうと思える位深く、腹部からは夥しい程の量の出血で、部屋は正に地獄絵図のようでした
私達3人は何も出来ずに震え立ちすくむ中、救急車は到着し近所からの通報もあり警察も来ていました、Kは救急車に搬送され家族は付き添いとし全員着いていき、私達は事情を聞く為に警察署に行きました
41 :本当にあった怖い名無し:2012/05/01(火) 09:04:55.82 ID:YSGKGk/pO
事情聴取という程の物ではなく、簡単な質問をされ、最近のKの様子はどんな物だったか等の近況を話しすぐに帰される事になりました
未成年という事で3人共保護者を呼ばれ私は親父、Eは母親、Aは祖父ちゃんが迎えにきてくれ、警察署を出た時でした、Aが私の方に来てポケットから件の「玉」を取り出し私に見せ「明日、俺ん家に来てくれ」とだけ言い祖父ちゃんと帰って行きました
親父には色々聞かれましたが適当に返答しながら家路に着き、今だに現実、非現実とも思えないような感覚を感じながら、その晩は眠れず気がつくと朝を迎えていました
私は顔を洗い、気を引き締め、全てを聞く為にAの家へ向かいました
42 :本当にあった怖い名無し:2012/05/01(火) 09:06:42.40 ID:YSGKGk/pO
丁度Aの家の前でEと鉢合わせた
私 「おす、Eも早いな仕方ねーか昨日があんなだったし」
E 「うん、全然寝れなかったから」
やはりEも寝れなかったみたいだ、あんな事があった後だから無理は無いと思った
私 「Kの様子とか聞いたか?」
E 「ううん、朝一番に病院に行ってみたけど、面会謝絶だったし、皆聞ける様子じゃなかったから…」
私 「そっか…」
二人で話していると家の裏の工場からAと祖父ちゃんが出てきて、私達に気付きこちらにやって来た
A 「二人共早いなもう来てたのか、まあ上がれよ」
そう言ったAの左頬は心なしか赤く腫れていた