怪談・洒落怖

【新作洒落怖】私の見た彼女

投稿日:2024年1月19日 更新日:

本文

02021992020/02/21(金) 02:39:24.92ID:qlK11UaB0

書きだめたので書き込みます。
そんなに怖くないですが、少し長くなります。
これは小学生のころから、去年までの話なので。

これの始まりを私は明確にいつと言うことは出来ない。
気づけば彼女を見るようになっていました。
最初に見たのはまだ小学生の時です。
二階のリビング。カーペットを敷かれているそこで寝ると、夢と現実の間で女性を見ました。
その人は白いワンピースを着て、髪の長い人でした。リビングの入り口から部屋に入ってきて、私の方に近づいてくるんです。怖いとは思いませんでした。彼女はとても優しく笑っていましたから。
それから、度々リビングで寝ると彼女を見ました。絶対に見る! というわけではありませんが、結構な確立で見ていました。でも、私には夢か現実か判断が出来ませんでした。

そうして時が経って、専門学生の時になったときです。
私はだんだんと自分の家族がおかしいという気持ちを確信に変えていて、家を出たいと思い始めた頃です(毒親だったんです)。
そのころにはリビングで寝てもあまり女性を見なくなっていました。多分、夢だったんだろうな、と思っていたんです。(たまに母に、この家のリビングには綺麗なお姉さんが居るんだよといっていましたが)
ある日の夜です。これから夕食を作ろうと一人でキッチンに立っている時に、ふと視線を感じました。
うちの家のキッチンはカウンター型だったので、キッチンに居ながらリビングのドアを見ることが出来ます。

リビングの入り口に、女性はいました。

一瞬、それが誰か私にはわかりませんでした。
彼女はいつも優しく笑っているイメージがあったからです。でも、そこに立っている彼女は笑っていませんでした。
無表情で私の事を見ていました。
綺麗だった長い髪は肩当たりでぼさぼさになっていて、服はどろでぐちゃぐちゃでした。
息が止まりました。怖い、と思う前に、彼女は消えていました。それが現実で私が彼女を見た最初で最後です。

02031992020/02/21(金) 02:41:48.51ID:qlK11UaB0

現実で彼女を見てしばらくして、私は夢を見ました。
私は沼か池か、そこのほとりに居ました。
池は汚くて、ああ、汚いな、と思っていたら、ぐっと後ろから首を絞められました。
驚いて、もがいたら、今度は地面に体を押し倒されて、顔を池の水があるぎりぎりのところに押し付けられました。
息が出来なくて、もがいたら、ワンピースを着ている腕がもがいているのが見えます。
その腕に見覚えがありましたが、それよりも私は、ああ、自分は死ぬんだな、とぼんやりと考えて、そこで目が覚めました。
それが女性の夢だとは、断言することは出来ません。でも、私はどうしてかその女性の夢だと思いました。
そこから、私は専門学校を卒業し、しばらく色々と環境が変わり、
母に追い出されるような形で一人暮らしをするまで彼女を見ることはありませんでした。

02041992020/02/21(金) 02:42:39.93ID:qlK11UaB0

また女性を見たのは、ほんの去年の夏……いえ、もう秋のことでした。
そのころ、私は友人に色々と助言をしてもらい親と物理的にも距離を取ろうとしていた頃です。
縁を切ることも厭わないと思い始め、色々と動き始めた頃でした。
夜、布団で寝ていると、金縛りにあいました。
私結構金縛りにあって、そのたびに誰かの視線を感じるんです。だから、これはまたそうなんだろうなって思っていました。
でも、その時はなぜかその誰かが分かりました。
部屋の端。私の斜め前に、女性が居ました。
白いワンピースに、長い髪の女性。生気のない顔の女性でした。
その女性が私をじっと見ているのです。
すごく怖かったのを覚えています。
その時に、私はいつもお世話になっている神社の神様の名前を呼びました。〇〇さん○○さん○○さん!と
そのうちに意識が消えて、携帯のアラームの音で目が覚めました。
部屋の中を見回してみても、当然そこに人は居ません。あれは夢だったのだろうか??と思いました。
女性には見覚えもないしと思って、ふと持ち家で見た女性のことを思い出しました。彼女だ、と思いました。
でも、どうして今更?と。それになぜあんなにも怖いのか、もわかりませんでした。

02051992020/02/21(金) 02:43:27.63ID:qlK11UaB0

それでも、その日は全然気にしておりませんでした。
ただの夢だろうと。
そうして夜になって、眠って。また見ました。
同じ場所に彼女は立っていました。
私の斜め前に、彼女はいました。でも、昨日までと明らかに違いました。
服が赤かったんです。綺麗な白だったそれがぞっとするほどの赤に染まり。
長かった髪は専門学生の時に見た肩までの長さになっていました。
そして何より目が、私を睨んでいるんです。明らかな憎悪を感じました。
なぜ?どうして?私にはわかりませんでした。
私は普通に生きてきただけです。
彼女に恨まれるようなことをした覚えはなくて、意味がわからなかったです。
それでも、これほどの憎悪と言えば良いのか敵意を向けられたことはなく、とても怖かったです。
その時も神様の名前を呼びました。何度何度も、目をぎゅうと瞑って、お願いです!助けてください!!と。
そしてまたふと、意識を失いました。

02061992020/02/21(金) 02:44:12.89ID:qlK11UaB0

また朝に携帯のアラームで目を覚まして、私は震えました。
またあの夢を見るのかと。いや、もしかしたらもっとひどい夢を見るんじゃないかと。現実か夢かの判断がついていなかったんです。
その夜に、ネットの友人達が集まっているグループに「こういうことがあって」と連絡をしました。
そこには怖い話に詳しいと言えば良いのか。
対処をよく知っている子達が集まっているところで、そこの中でも一番詳しい子が「やばいよ」と言ってきました。
私としては「こんなのあったんだよー。やぁ!ネタだよね!!」で「ほんと怖いね!!」で済ませて欲しかったんです。
でも、そうはいきませんでした。
以下、その人の話です。

「赤は敵意の現れ。その霊は明らかに貴方に敵意を持っている。
それも連続で出てきたということは、近いうちに何かしてくるかもしれない」

02071992020/02/21(金) 02:45:07.39ID:qlK11UaB0

その言葉に私は身震いをしました。冗談じゃないとも思いました。
どうしたら良いのか、と問えば、彼女は私がよく行く神社のお守りと、
その神社で買った水晶のブレスレットを必ず身に着けることだと言ってきました。
私はその日の晩、言われたとおりにお守りを枕元に置き、ブレスレットは手首に着けて寝まして。
深夜になって、ふっと意識が浮上しました。ああ、今日もかと思うと同時にぞくり、と寒気が走ります。
目は瞑っていても、女性が立っているのを感じました。
それも、私のすぐ近くです。
すぐ横で、私の顔を覗き込もうとしているんです。きっと瞼を持ち上げていたら私はすぐに殺されていたことでしょう。
怖くて、気が狂いそうでした。
必死で○○さんと必死に祈りを捧げました。
この数日、その名前を呼べば意識を失って、朝になっていたのを覚えていたので。でも、その日は意識を失えませんでした。
女性がぬぅぅっと私の顔を覗き込むために体を曲げて見てきます。
もうすぐ近くで彼女の顔を見ることになると思って私は死ぬな、と思いました。もう駄目だ。もう死ぬ。この人に殺されるんだって。
その時です。
彼女の胸に刀が刺さりました。
へ、ってなりました。
女性が私から距離を取って、私の前に男性が居ました。その人が女性にまた刀を突き立てたら、女性は消えました。
そこで意識が消えました。

目が覚めて、私は頭にクエッションマークを大量につけていました。
あの男の人は誰かはなんとなくわかっているんですが、
それでも確信が出来ませんでしたがとりあえずお守りにお礼を言っておきました。

出典http://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1578516742/

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yoshida3

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