深夜ラジオ騒動の後。結束を強める霊能者達。そして世の裏側でうごめき始める闇の者達。
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第一部 一話 霊能者インタビュー 嘉納康明 1
月刊OH!カルト創刊30周年記念企画である「歴史ミステリー徹底検証!幻のオーパーツ大特集!!」という編集長キモ入りの一大プロジェクトはじつに無残な結果となった。 カラー写真満載でこれでもかと世界各地の ...
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第一部 二話 霊能者インタビュー 嘉納康明 2
―――まずは嘉納さんのお仕事についてお聞かせください。職種でも肩書きでもなんでもいいので。 「ふむ。職種は霊能者でいいでしょうな。肩書きだと当研究所の所長です。あとはいくつかの企業や団体の相談役という ...
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第一部 三話 魔女
池袋、渋谷と続いた集団での飛び降りは結局その後、新宿でも発生した。 1日に3カ所で集団が飛び降りたという衝撃は、当日翌日のニュースを独占するだけでなく、事件から2週間経った今でも必ずと言っていいほどワ ...
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第二部 一話 ジサツオフ 1
「苦しくない楽しい方法ありますよ。よかったら何人かでジサツオフしませんか?興味あればDMください」 そのリプライが来たのはついさっき。 いつもネガティブなツイートばかりを呟いているお気に入りアカウント ...
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第二部 二話 ジサツオフ 2
目が覚めたのは真っ白な部屋だった。 何が何やら分からずボーっとしていたら、ガチャっと音がして数人が部屋に入ってきた。 白衣を着た医師風の男2人と、女性の看護師さん。 どうやらここは病院のようだ。 医師 ...
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第二部 三話 ジサツオフ 3
タツヤさんがやってきたのは集団自殺が起きた翌日だった。 ピンポンが鳴ったと思うと、返事を待たずにタツヤさんが部屋に入ってきた。 いつものようにお酒の入ったレジ袋をぶら下げている。 「おかえりなさい」 ...
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第二部 四話 ジサツオフ エピローグ
ヨミは勧請院さんではなかった。 私は夜のニュースでそれを知った。 東京で3件、大阪で1件の集団飛び降り自殺を引き起こしたヨミが西新宿に現れた。 今度はビルの上ではなく人が行き交う路上に、ビルとビルの間 ...
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第三部 一話 呪者の影 1
笠根さんからの久々の呼び出しを受けた俺は池袋の北口にある中華料理店に来ていた。 北口を出てすぐの、プチ中華街とも呼べるエリア。 なんの食材かわららない中国語表記の食材が所狭しと並んだ食材店の隣、地下へ ...
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第三部 二話 呪者の影 2
ハオさんのおごりで本場仕様の四川料理を堪能して、俺と笠根さんはハオさんと別れた。 水煮牛肉(スイジューニュールー)という激辛煮込みを食べたために口の中がビリビリしている。 「もうちょっと飲んで行きませ ...
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第三部 三話 呪者の影 3
翌日、笠根さん指定の時間まで俺と由香里は病院の前の喫茶店で時間を潰していた。 時刻はお昼前。 今日は仕事が休みの由香里は、普段よりもカジュアルな格好でいるらしく、時折すれちがう同僚の看護師さんに茶化さ ...
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第三部 四話 呪者の影 4
薄暗い霊安室の中、笠根さんと和美さんが読経する声が響く。 扉が閉まる直前、前田さんが叫んだようだったが、こちらが反応する前に扉は完全に閉まってしまった。 おそらくこの場にいる霊が何かして脅かしたのだろ ...
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第三部 五話 呪者の影 5 エピローグ
霊安室の扉が閉まってから1時間近く経っただろうか。 開閉スイッチの赤いランプが点滅したかと思ったら、鉄の自動扉がゆっくりと開き始めた。 10分ほど前に由香里が、霊安室から滲み出ていたドス黒い気配が消え ...
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第四部 一話 老師1
翌日、ハオさんから指定された場所の前で笠根さんと待ち合わせた。 渋谷の駅から少し離れた住宅街にあるヨガスタジオ。 お洒落なママさん達が好むような外観にしつらえられたきらびやかな一軒家を前に俺達はたじろ ...
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第四部 二話 老師2
翌日、俺は疲労の残る体で出社した。 全身の筋肉が限界まで酷使された感覚が残っている。 不思議なことに筋肉痛にはならなかった。 運動とは違う理屈のダルさなのだろうか。 まずは動画の生データを同僚に見せて ...
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第四部 三話 老師3
出社してデスクに座り、松野さんからもらった名刺を改めて確認する。 会社名と肩書きは松野製薬ホールディングス相談役と書かれている。 松野製薬HDという名前を聞いたことはなかったが、検索すると結構大きな会 ...
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第四部 四話 老師4
前田さんと不思議な体験をしたその日、俺は老師に天道宗について尋ねた。 前田さんも俺も気功で転がされ続けたおかげでクタクタだったが、それでも老師に会いに来た目的は果たさねばならない。 体を引きずるように ...
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【ありがたすぎてシェア】「闇の鳴動」に対する台湾の皆さんの反応
やこう「闇の鳴動」に台湾の読者さんからなんと400件近いコメントをいただきました。 Unlinさんという台湾の方が翻訳して台湾の怪談サイトに掲載してくれています。 読者さんからのコメントが何よりの励み ...