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やこう

ご乗車ありがとうございます。 車掌は怪談や奇談、洒落怖、ホラーなど、『怖いモノ』をジャンル問わず収集しているオカルトマニアです。 皆様も「この世発、あの世行き」の夜の寝台特急の旅をごゆっくりお楽しみください。
『怖い』を楽しむオカルト総合ブログ
便利屋トシちゃんから聞いたお話です。 つい先日、トシちゃんの元にこんな依頼が入りました。 「老人が孤独死した物件なんだけど、特に腐乱してた訳でもないし部屋は綺麗な状態だから、普通にルームクリーニングしてくれないか」 依頼してきたのはトシちゃんの古い友人から紹介された不動産屋さんで、断ることもできずトシちゃんはその部屋へ行って見積もりをすることにした。 約束の時間の少し前にアパートに到着したトシちゃん。 部屋の前にはすでに不動産屋さんが待っていて、トシちゃんが挨拶をすると部屋のドアを開けてくれた。 その不動 ...
リアル霊能者の敬忍(けいにん)和尚から聞いたお話をそのまま掲載します。 会話形式なのでもしかしたら読みにくいかもしれませんが、どうかお付き合いください。 読みにくいとのご意見が多い場合は、通常のレポート記事で書き直しますので、よろしければ感想をコメント欄にお願いします。 それでは始めましょう。 霊に騙された経験 当ブログ注 敬忍さんはお坊さんの肩書を持っておられますが、日本古来の神様もちゃんと敬っていらっしゃいます。 「もともと神様の国だった日本に、優しい仏様がやってきて、それをすんなり受け入れちゃった日 ...
前田さんと不思議な体験をしたその日、俺は老師に天道宗について尋ねた。 前田さんも俺も気功で転がされ続けたおかげでクタクタだったが、それでも老師に会いに来た目的は果たさねばならない。 体を引きずるように機材の片付けを始めた前田さんを横目に、老師の元へ向かう。 「以前お会いした際に、コウ先生がおっしゃっていた天道という人物についてお聞きしたいんですが」 老師と話しているハオさんに声を掛けると、ハオさんはバネ仕掛けのようにクルリと振り返ってこちらに向き直った。 射ぬくような視線。 そして一瞬の後に口を笑みの形に ...
便利屋トシちゃんから聞いたお話です。 夜行列車ブログにご連絡いただき、お会いして取材してきました。 その昔、ビッグスクーターを中古で購入したトシちゃん。 気分良く乗り回していたのですが、3回ほど死にかけたことがありました。 1回目は片側二車線で交通量の多い大きな道路の右側車線を走っていた時のこと。 大きな交差点に差し掛かったところで突然エンジンが止まったそうです。 ビッグスクーターでエンストなんて簡単には起きません。 明らかな異常事態。 なんとか転ばないように停止したわけですが、後ろから凄まじいクラクショ ...
夜行列車ブログに寄せられた実話怪談をご紹介します。 地名・人名は伏せてありますが現在も実在するお話です。 とある山奥にある町のお話。 日本有数の山岳地帯のほぼ真ん中に位置する町の歴史と現在の様子をご紹介します。 そこはかつて林業で栄えた町でした。 その昔、源氏から逃げ延びた平家の残党が女子供を連れて山の奥深くに隠れ住んだのが町の成り立ちです。 平家の侍達は逃げ延びる際に一体の仏像を大切に守っていました。 源氏からの追跡を乗り切ったと判断した侍達は、如意輪観音像にょいりんかんのんぞうというその仏像を本尊とし ...
出社してデスクに座り、松野さんからもらった名刺を改めて確認する。 会社名と肩書きは松野製薬ホールディングス相談役と書かれている。 松野製薬HDという名前を聞いたことはなかったが、検索すると結構大きな会社のようだった。 予想外に偉い人っぽいが、篠宮母の情報によれば神職の筈だ。 まあ篠宮母にも勘違いはあるのかもしれないし、親族経営の会社なのかもしれない。 この名刺をもらった時、よほどのピンチにならなければ連絡してくるなと言っていた。 ということはピンチになったら連絡して良いということだ。 神様へのホットライン ...
翌日、俺は疲労の残る体で出社した。 全身の筋肉が限界まで酷使された感覚が残っている。 不思議なことに筋肉痛にはならなかった。 運動とは違う理屈のダルさなのだろうか。 まずは動画の生データを同僚に見せて意見を聞く。 「なんですかコレ?」 「気功だってさ。胡散臭いだろ?」 モニタではジャージ軍団が老師に転がされる様子が流れている。 「うん、胡散臭い」 「ところがだよ。実際に目で見ると凄いんだよ」 「先輩の撮り方がダメってこと?」 「いやいや。誰が撮ってもこうなるから」 ハンディでジャージ軍団をすぐそばから撮影 ...
翌日、ハオさんから指定された場所の前で笠根さんと待ち合わせた。 渋谷の駅から少し離れた住宅街にあるヨガスタジオ。 お洒落なママさん達が好むような外観にしつらえられたきらびやかな一軒家を前に俺達はたじろいでいた。 「…………」 閑静な住宅地の風景にとけこむお洒落なスタジオの前に男が2人。 顔はイケメンとはいえ垢抜けているわけでもない地味な服装の笠根さん。 アウトドア仕様の無骨なカメラバッグと三脚を担いだ俺。 なんという場違い感だろうか。 別に悪いことをしているわけでもないのに気後れしてしまう。 「ここ…です ...
霊安室の扉が閉まってから1時間近く経っただろうか。 開閉スイッチの赤いランプが点滅したかと思ったら、鉄の自動扉がゆっくりと開き始めた。 10分ほど前に由香里が、霊安室から滲み出ていたドス黒い気配が消えたと言っていたが、それでも思わず身を固くして扉を見つめる。 「…………」 霊安室の中は扉が閉まる前と違って明るい。 若干疲れた顔の笠根さんと困惑気味の篠宮さん、そして何故かやけに堂々とした伊賀野さんが部屋から出てくる。 なにやらテンションの違う3人の表情に引っ掛かりを覚えるも、とりあえず無事に出てきてくれたこ ...
薄暗い霊安室の中、笠根さんと和美さんが読経する声が響く。 扉が閉まる直前、前田さんが叫んだようだったが、こちらが反応する前に扉は完全に閉まってしまった。 おそらくこの場にいる霊が何かして脅かしたのだろう。 前田さんには後でフォローを入れておいた方が良いかもしれない。 勧請院さんのように、この場で霊を祓ったと思っても、実は前田さんに取り憑いていて…なんてことがあってはいけない。 慎重に過ぎることはない。 読経が始まってすぐ、霊安室の中に霊の気配が満ちた。 それは読経によってもたらされる清浄な空間を闇で塗りつ ...
翌日、笠根さん指定の時間まで俺と由香里は病院の前の喫茶店で時間を潰していた。 時刻はお昼前。 今日は仕事が休みの由香里は、普段よりもカジュアルな格好でいるらしく、時折すれちがう同僚の看護師さんに茶化されていた。 隣にいる俺をネタに談笑する同僚なんかとはそれなりに仲が良いのだろう。 皆とても怪奇現象に悩まされているとは思えないほどに気楽な雰囲気だ。 そう指摘すると由香里は苦笑して言った。 「病院から外に出るだけで気持ちが楽になるのよね。私もそうだもん。職場に戻るとまたあの嫌な空気になるから、休憩の時はほんと ...
ハオさんのおごりで本場仕様の四川料理を堪能して、俺と笠根さんはハオさんと別れた。 水煮牛肉(スイジューニュールー)という激辛煮込みを食べたために口の中がビリビリしている。 「もうちょっと飲んで行きませんか?」 そう笠根さんに聞いたら笠根さんもそのつもりだったらしく、手近な居酒屋に移動することにした。 ヴヴヴとスマホが鳴ったので画面を見ると由香里からの着信だった。 時間から考えて、仕事が終わったタイミングで電話をかけてきたのだろう。 笠根さんに軽く手をあげて電話に出る。 「もしもし斎藤さん、今晩は」 わざと ...
笠根さんからの久々の呼び出しを受けた俺は池袋の北口にある中華料理店に来ていた。 北口を出てすぐの、プチ中華街とも呼べるエリア。 なんの食材かわららない中国語表記の食材が所狭しと並んだ食材店の隣、地下へと降りる階段の先にある本場仕様の中華料理店。 およそ9割の客が中国人という異国情緒あふれる店内には、やはり中国語のBGMが流れ、ジャッキーチェンが振り回してそうな椅子が丸いテーブルを囲むように配置されている。 笠根さんの姿は見えない。 約束の18時まではまだ少しある。 忙しなく働く店員さんを捕まえて、席を予約 ...
「拝啓タラチヒメ様」に対するコメント ha**: まさか続きがあるなんて! gd**: 待っていました! IB**: このシリーズは本当に面白いですねXD ea**: ツンデレなタラチヒメ様~ ru**: なんか前田さんは長生きできそうな気がしますね……(ずっとついていない意味 ka**: 更新した! ly**: このシリーズマジ最高 po**: 前田さんは眷属にされたなんてXDDD We**: タイトルを見た瞬間に興奮したXDD このシリーズは本当に面白いです!ありがとうございます! ja**: 前田さ ...
ヨミは勧請院さんではなかった。 私は夜のニュースでそれを知った。 東京で3件、大阪で1件の集団飛び降り自殺を引き起こしたヨミが西新宿に現れた。 今度はビルの上ではなく人が行き交う路上に、ビルとビルの間からフラフラと現れたのだという。 初めは誰も気付いていなかった。 誰かがヨミだ!と叫んでも、ほとんどの通行人は怪訝な顔をするだけだったという。 しかし間近にいた人から悲鳴があがり始め、通行人の一人が車道に飛び出して車に跳ねられた。 それでパニックになった通行人は我先にとヨミの近くから逃げ出した。 そうこうして ...